祝 脱会

 昨日、とうとう晴れて、脱会することができた。なんて書くと、おかしな宗教団体に入信していたようであるけれど、そうではない。ずっとやめたかった地域の自治会から、昨日抜けさせてもらった。

 今の家に引っ越して、ちょうど10年が経つ。それまで住んでいたところは夫の職場の官舎であったため、地域コミュニティみたいなのが、あってないような場所であった。私にとっては、自治会に加入し、地域の活動みたいなのに参加したりしたのは、この土地でが初めてのようなもの。

 住み始めてまだどれほどもたたないうちに、組の長まで経験させてもらうこととなり、あれこれと用事もこなした。なので加入していた10年の間で、一応は一定の責任みたいなものも果たしたつもりでいる。

 正直、自治会の活動は、どれを採ってもじつにしょうもなかった。回覧板ひとつにしても、通り一遍のことしか書かれておらず、あら〜、これは知らせてもらって助かったわ〜、という内容のものが回ってくることは、10年間一度たりともなかったと思う。
 しかも不幸なことに、昨年度は我が家がスケルトン家に回覧を回す役目となった。なぜかスケルトン家のポストには、大きい郵便物が入らないようにガムテープが貼られており、「ポストには入れずに、門の前に置いておくビニール袋に回覧を入れてくれ。」と言われ、そんなわけのわからない儀式は勘弁してほしいので、日が暮れて、真っ暗になってから、こっそりポストに回覧を押し込みに行った私であった。

 また、一年に何千円か徴収される自治会費にも疑問がわいた。組長の仕事を終えた年度末に、お疲れ様の意味なのだろう、何重にも重なった立派な弁当にビール、雑務や事務仕事に多少かかったでしょうから、と、現金まで頂いた。ははん、これらすべて、みんなが払う自治会費から支払われているのだな、と思うと、次の年から払うのが馬鹿らしく思われた。

 また自治会費とともに、任意で募金もさせられていたが、この募金協会が不正をはたらいていた、というニュースを見てから、募金はやめた。

 などなど、自治会に入っているメリットみたいなものがひとつも見当たらないので、いつしかやめたいなー、と思うようになった我が家であった。もともと、人と一緒に何かをやろうじゃないか!ということが苦手な私たち夫婦は、こうした活動に向いてなかったのは絶対である。

 ああいう自治会活動って、日本独特のものなんじゃないだろうか?外国でもああいうことしてる国ってあるのかなあ?

 春だからか、なんかいろんなことをすっきりとさせたい。自分の気持ちが自然に、自由でいられることが大前提で。

 脱会する旨を伝えにいった帰り道、夫が、「オレ、やっぱり日本人だ・・・」と言った。何のことかと思ったら、玄関先まで話に出てきてくださった組長さんの、前のチャックが開いていたのに、注意してあげられなかったのだと。私は抜けさせてもらえるかどうかが心配で心配で、そんなこと、気がついてもいなかった。