拾得物

     

 夕方、図書館へ行って本をどっさり借りてきた。

 その中の一冊、おいしいお茶の基本。たぶん自分はたいへんなお茶飲みで、お酒も嗜めないものだから、お茶に対する思い入れは、人より強いと思っている。

 ま、それはともかく。家に帰って、一番にこの本を手に取り開いたところ、一枚の紙切れが本の中から出てきた。私より前にこの本を借りていた誰かが、書いたものであるらしい。

   たどりついたら〜〜 岬のはずれ
   赤い灯がつく ぽつりとひとつ
   いまでもあなたを待っていると
   いとしいおまえの呼ぶ声が
   俺の背中で潮風にな〜る
   夜の釧路は 雨になるだろう



 演歌か?