おとといのコンサート

cucciolo-mayu2008-10-17

 一昨日の夜は、父ちゃん(夫)の本番があった。私は夕方、生徒さんのレッスンが終わってから会場へ。既に、開演時間には間に合わなくなっていると分かっているにもかかわらず、しっかりご飯をかきこんでから出掛ける図々しさよ。
 この日歌ったのは、有名なドニゼッティのオペラからアリアを2曲。たぶん、父ちゃんの人生の中で一番多く歌ってきたであろう、言わばおハコだ。とは言っても緊張はする。すごいする。当の本人はもっとであろう。
 さあ父ちゃんの出番。会場全体がシーンと静まりかえり、ドニゼッティの美しいメロディに続いて歌がはじまったとき、あ、大丈夫、と私は思う。客席で聴きながら、ほとんど自分も歌っているような気分になる。
最後のカデンツァの前まできたとき、会場は更にピーンとした空気が張りつめる。みんな息もせずに、一番の聴き所にのぞむ体勢にはいっているのが伝わってくる。このとき身内の私としては、「おいおい、みんなもっと気楽に聴こうや。」と言いたい気分であった。高音が気持ち良くホールに響く。最後のピアニッシモもキマッた。
 上等、上等。大成功。家でも練習はよく耳にしているが、本番はあの場の緊張感がかえって良いのか、音楽全体がとてもピリッとしていた。声も無駄のない、芯の部分だけが聴こえてくるような、クリアな響き。
 コンサートのあと、父ちゃんはたくさんの方からお褒めの言葉をいただいていた。とても幸せだったと思う。みんなお世辞ではなく、本当に心から喜んで、良かった、と思った顔で言ってくださっていたので。私も大満足だった、自分のことのように。ありがとう、父ちゃん。ほんとにお疲れさまでした。
 昨日はコンサートの余韻も残ってか、一日中使い物にならなかった。
さあさ、今日からまたいつもの私と父ちゃんだ。