ある日のレッスン風景

cucciolo-mayu2009-01-13

 昨日夕方、ピアノのレッスンで。Kっちは4年生の女の子。昨日はレッスンバッグのほかに、大きな箱をふたつもかかえて入って来ました。先にレッスンにきていたのは仲良しのAちゃん。「あの箱はなんだろう・・・」と、多分私だけではなくてAちゃんも気になったとは思うけど、それはさて置かれ、お嬢さんたちのおしゃべりが始まります。「ねえ、この前うちに遊びにきた?」とKっち。「行ったけどいなかったから帰った。」「それって何曜日だった?」「土曜日?!あれっ?ちがう。金曜日??」などなど。楽しいおしゃべりは止まりそうにありません。Kっちは最近、おうちが新しくなって近くにお引越しをし、ふたりは3学期から学校が別々になったのです。そんなお二人さんの楽しい時間をさえぎるのはとても胸が痛んだのですが、そのままではおしゃべりタイムになってしまいそうなので、「はーい、早く用意して。」と冷たくソルフェージュのレッスンを始めてしまう私。
 なぜか笑いの絶えない(?)ソルフェージュのレッスンが終わると、Kっちは例のふたつの箱をあけはじめました。ひとつはAちゃんに、と言って開けると、中にはクリームがサンドされたチョコレートクッキーが3つと、お手紙やらノートのようなのやら、宝物がたくさん入ってます。このチョコレートクッキーは実は本物ではなくて、Kっちがサンタさんからもらったおもちゃで手作りしたものだそう。でもとっても美味しそうです。しかもAちゃんは3人姉妹だからケンカにならないように、とちゃんと3つ作ってきています。
 そしてもうひとつの箱は、私にですって。なんだろうと開けてみると、これまた美味しそうないちごのスウィーツがチョコンと入っていました。生クリームも、真っ赤ないちごも本物みたいでマジで食欲中枢を刺激されます。しかもちゃんと、シェ・コーベの箱に入ってました。(笑)
 そのあとも、Aちゃんの箱に入っていたお手紙は、「これは○○ちゃんに渡してね。」と言っています。前の学校のお友達へ、でしょうか。そして「中はぜったい読まないで!」としっかり釘をさしておりました。
 二人のほほえましいやりとりを見ながら、じーんとしてしまった私です。彼女たちは大きくなったら、今日の小さな出来事は忘れてしまうでしょうか。あのレッスン室で過ごした時間を、大人になっても思い出すことがあるでしょうか。私には小さなケーキも、かわいい会話も忘れられない。このまま大きくならないでー!とさけびたい気持ちでした。音楽とは全然関係ないけれど、ピアノの先生をしていてよかったなあと思うのは、こんな一場面だったりします。