ロッタちゃん

 この前の日曜日は、近くにある文化の家で映画鑑賞会がありました。父ちゃん(夫)は風邪っぽいというので私一人で行ってきました。
 この日の映画は「ロッタちゃんはじめてのおつかい」。スウェーデンの映画です。お正月に「かもめ食堂」を観てから、私のなかで静かに北欧がブームのようです。

 映画の冒頭部分で、朝目が覚めたロッタちゃんはお母さんから早く服に着替えるようにと、白いセーターを渡されます。でもこのセーターはチクチクするからロッタちゃんは大嫌いで着たくないと言うのだけど、お母さんは聞いてくれません。怒ったロッタちゃんはチクチクセーターをハサミで切りはじめてしまいます。「そうだ、イヌがやぶいたことにすればいいんだ。」と、お母さんへの言い訳を考えついて。
この場面で思い出してしまったのだけど、幼い日の私は、あるとき無性にハサミで自分の髪を切ってみたくなり、見つかって叱られたときのための、しょうもないウソを用意していざ決行したと思います。
「ああ、ロッタちゃんは私か・・・」とにわかに親近感が湧き、あとはずっとロッタちゃんの気持ちで映画のスジを追いました。家出をして、お隣の物置にとてもかわいい我が家をかまえてしまうロッタちゃん。お隣のおばさんの具合が悪いとき、パンを差し入れし、サンドイッチを作り、炊事からお掃除までお手伝いしてあげるロッタちゃん。子どものときの私よりは、(いや、今の私よりもかも)ずっとしっかりして自立心があります。
 私のように、幼い頃の自分とロッタちゃんを重ねて観ていた、むかしロッタちゃんやロットくん、きっとたくさんいたはず。今、子育て中の人は自分の子どもとダブったりするんだろうし、もっと年配の方は、子どもが小さかった日のことを懐かしく思いながら観てしまう映画なのではないかな、と思いました。
 しかしひとつひっかかったのは、なぜ日本語のタイトルが「ロッタちゃんはじめてのおつかい」なのか?たしかにロッタちゃんがおつかいに出かけるシーン、あります。でもそれはこの映画の中ではほんの一部。しかもはじめてでもなさそうだったし。チラシをよく見てみると、この映画、93年のものらしい。その頃って、「はじめてのおつかい」って番組、日本で流行ってなかったか?たぶん、あれと安易にひっかけたんだなあ。その時代にはこのタイトルでよかったのかもしれないけど、今観ると、内容とタイトルにギャップを感じてしまうの、私だけですか?