悩める日々

cucciolo-mayu2009-02-26

 おとといの夜のこと。夫がカレンダーとスケジュール帳を持ってやってきて、突然言った。「あんたはよくわかってないけど、今年はうちにものすごい大型連休がやってくる。」
 5月に、わりと長く休みがある、ということは以前から夫に聞いていたのだけど、私は「ふ〜ん。」くらいの反応で、ま、数日なら実家にでも帰れるかな、と考えていた。ところが、おとといカレンダーを見ながら説明をきいてみると、これがホントに長いのである。「へ〜すごいねぇ。」と、ここでも私は夫が何をいいたいのか、まだ察していなかったのだが、彼がパソコンにむかい始めてピンときた。行こうとしているのだ、かの地へ。
 でもゴールデンウィークの時期なので、そんな思いっきり飛行機代の高いときにいけるわけないじゃん、とあっさり私に却下され、この日はそれで終わった。
 しかし昨日も、そのことは私の心にもひっかかったままだった。5月のイタリアって、いいんだよね。まず、この間書いた、Val d'Orcia(オルチャ渓谷)の丘も一面緑の季節をむかえ、ポピーの花も咲き乱れ、まさに絵に描いたような風景だろう。10年くらい前に、親友とサン・ジミニャーノを旅したのも5月だった。さわやかな晴れの日を、古い塔の町を散策してすごしたのは、今思い出すとウソみたいに思える。ああ、あのトスカーナを思い出すだけで、私の頭のなかをびゅんと緑の風がかけぬけた。やっぱり5月にイタリアに行けるかもしれないなどという、夢のようなチャンスを、そうそう無駄にしてはいけないのではないか。


 考えてみると、私たちのイタリアはいつもプアーヴァカンス(極貧休暇)なので、飛行機のチケットだって安い時期に安いものを手配するばかりだったから、みんながこぞって旅行に出かける、シーズンと呼ばれる時期のチケットが、果たしていくらくらいするものか知らなかったし、調べたこともなかった。今度は私がパソコンにむかい、ネットで調べてみる。すると、これが案外手にとどく価格ではないか。またまたトスカーナの風がかけぬけた。(気がする。)
 即、いつもの旅行会社に電話。(この辺の行動、夫はまったく知りません。私がひとり、突っ走ってしまったことです。)ネットでみたチケットは、さすがに第一希望日は満席だったものの、第二希望日はわずかに席があるとのこと。ただ安いチケットなので、予約したら3日以内の発券になり、支払いもすぐだという。2日以内ならキャンセルしてもペナルティーはないので、とにかく席だけおさえてから考えてはどうですか、こんな時期ですし、なくなる可能性は大ですよ、とせかされるが、「もう一度検討してみます。」と言って電話を切った。
 夫に報告すると、彼にもまたびゅんとイタリアの風は吹いたようであった。トスカーナもいいけど、せっかくあったかい時期に行けるのだったら、北イタリアもいいかもねえ、なんて、ふたりで思い切り盛り上がる。
 しかし、まだ問題はあった。悪評高き燃油サーチャージである。(ま、結局予算の話です。トホホ・・・)ANAはこの間値下げを発表したようだが、他の航空会社はまだ出していない。ということは、今予約すると、ひとり4万もするサーチャージを払うことになり、もし出発までに値下がりしても、差額を返金されることはない。値下げ前と値下げ後で、おそらくふたりで6〜7万円の違いになってくるはずだ。
 4月からのサーチャージについては、どこの航空会社も近日中に発表するらしい。今いそいで大金はたくのは悔しいので、もう少し待とう、という結論に至った。しかしこうしている間にも、私たちの座席は誰かのものになっているかもしれないのだが・・・
 あとは運を天にまかせて、できるかぎり穏やかな気持ちで日々を送ろう、と思うのだが、本当のところは、行くべきか、行かざるべきか、決断するべきか、せざるべきか、ハムレットのごとく悩む。