さくら横ちょう

cucciolo-mayu2009-04-09


 
 朝、いつもの川沿いを散歩。桜が満開をすぎて、これでもか状態に入っています。じっと見上げていると、むせそうです。
 さくら横ちょうという日本歌曲があって、よく知られているのは中田喜直作曲で、とてもロマンチックなメロディーの、ピアノの伴奏が、はらはらと舞い散る桜の花びらを連想させる、おそらく誰もがうつくしいとするはずの曲。
 すこし前に知ったのが、別宮貞雄作曲のさくら横ちょう。これがとても良い。まったく同じ歌詞なのだが、こちらはもっとずっともの哀しいのに、それでいてさらっとした桜の姿。
 同じ言葉なのに、作曲家によって詩の捉え方が違ったのだろう、それが音楽になって表現されると、表と裏くらいの違いになっていないか?
 
       
 カラーが中田で、モノトーンが別宮、みたいな。
 あるいは、桜の花びらの舞い落ちる様子が、動画で見えるように聴こえるのが中田で、静止画か、おそろしくスローモーションなのが別宮、とか。
 時間的な隔たりで説明するとしよう。かつてのかなわぬ恋をうたった歌なのだが、中田の音楽は30、40代の中年が、学生時代の彼氏、彼女を思い出してる感じで、別宮の方は、もう初老期を過ぎたご年配の方が、とおい昭和の青春を振り返る、みたいな。(ゆえに写真はセピア色。)
 ま、すべて私の主観にすぎないのだが。自分で勝手に分析すればするほど、作品の価値がどんどん下がっていくように感じられるので、この辺でやめておく。