試飲

    

 すでに購入済みなので、試飲とは言わないのかもしれないのだけれど、この間買った紅茶を、ひとりで試飲してみた。
 朝食は、私はパンにミルクティーにフルーツ、最近これに野菜ジュースが加わるようになった。毎日毎朝、判で押したような同じ朝食を食べている。まるで儀式のように。
 ずっと愛飲していた紅茶が手に入らなくなり、茶葉を変えざるを得なくなった。すごくこだわっているわけでもないけれど、私のミルクティーの好みは、茶葉は細かく、しっかり濃く出るタイプで、ミルクが入ると、口のなかでとろん、とした舌触りになるものがいい。アッサムとかウバが好み。普段飲むお茶だから値段は高すぎず、しかし安くて美味しくない、というのはぜったいに困る。そして、あ、なくなった、となっても、すぐに手に入る銘柄であること、くらい。(←充分注文多いですけど。)
 三越の地下のグロッサリーならきっといろいろあるかなあ、と思って行ったら、意外と種類は少なくて、濃く出る、ミルクティー向きはこれ、とほぼ迷うことなく決まった。(ま、迷ってもわからなくなるし、かえって良かった。)トワイニングの緑の缶の、アイリッシュ・ブレックファーストというお茶。イングリッシュじゃなくてアイリッシュなのだ。アイリッシュということは、アイルランドだから、イギリスのすぐお隣でしょ?ならいいんじゃない?と思って買ったが、あとで気がつくと、私が思っていたイギリスの隣は、アイルランドではなくて、スコットランドだった。どちらもランドで終わるから、間違ったのだ。たしかアイルランドと似た、アイスランドという国もあるなあ。地理は難しい。ま、アイルランドもさほどイギリスからは離れてはないだろうから、よしとする。っていうか、買っちゃったし。
 一杯だけ、自分のために丁寧に淹れたミルクティー。詳しいことはぜんぜんわからないけど、ミルクをいれてもしっかりお茶が負けてないので、合格。しばらくこれでいってみよう。またきょろきょろしていて、気になるのがあったら浮気するかもしれないけど。
 ひとつだけ、ミルクティーで私がこだわっているのは、ミルクをカップに先に入れること。ミルクティーは、ミルクを先に入れるか、紅茶のあとで入れるかで味が変わる。で、私はぜったい先にミルクを入れたほうが美味しいと思っていた。しかし以前、英国式紅茶の入れ方の教室に通っていたときに、正式な英国式紅茶のゴールデンルールでは、ミルクはあとから入れる、と習った。それは絶対守らないといけないくらい、厳格に書かれていたので、やっぱり私の入れ方は邪道なのだな、と思いながらも、家で飲むときはいつもそのルールを無視していた。そうしたら、何ヶ月かして、その教室の先生が、ずっと昔からゴールデンルールではミルクがあとで、ということだったが、最近、どこかの誰かが、ミルクは先に入れたほうが美味しいということを、化学的に証明したと教えてくれた。私がもし、ミルクが先、と言ってみたところで、誰も相手にはしないだろうが、どこかのすごーく賢い人がちゃんと理由をもって証明すると、英国の歴史もひっくり返るのだ。(←大げさな。)しかし美味しさを化学で証明って、ミルクティーをビーカーに入れて飲んだりするのだろうか?世の中にはいろんな研究をしている人がいるものだ。