発根

    

 暑い。むし暑い。早くも夏バテしてしまいそうな一日だった。それなのに、どさくさまぎれに午後、暑い、熱い練習をやった。声を張り上げたら、かえってスッキリした。
 パソコン環境もすごく暑いのだ。パソコンの置き場所が、窓からさんさんと太陽が降り注ぐ、おそらくうちで一番暑いと思われるところなので、これからの季節はもう昼間はブログは書けないと思う。
 私は前から、ヨーロッパによくある、壁にツタの絡まる建物をいいな、と思っている。あまりがんじがらめに絡まったのは、好きではないが、ほど良い加減で絡まり、建物に緑がなじんだように、ツタが建物の顔の一部みたいになっている様子に、すごくあこがれている。でも自分の家をそうしたいかというと、上手く、それこそほど良くは出来る自信がないので、踏み切れない。それから、これも前から疑問に思っていたことだが、あのおうちに絡ませたツタというのは、自然に生えてきたものだろうか、それともそのために植えるのだろうか?すごくいい感じに絡めているところは、やっぱり植えるのではないかと思うのだが、これまでに、庭木など植物を売っている店で、ツタを売っているのは見たことがない。だから、あのツタはどこから来たのだろうと、すごく思ってしまい、余計あこがれる。
 で、この間の旅行で、モンテプルチャーノへ行ったとき。道を歩いていて、道路わきのガードレールのようなところに、ツタが絡まっていたのだった。ツタにも私のよくわからない(説明できない)好みがあって、そのときのツタは好きな感じだったので、ほんのちょっとだけ、ポキッ、ポキッと、先っぽのところを2本、折らせてもらった。バックに入れていたはずなのに、ホテルに着いたら、1本しかなかった。それをホテルの洗面所でコップに挿しておいた。フィレンツェに戻るときも、大事に持って帰った。日本に帰るときは、切り口のところを、水でぬらした化粧用コットンで巻いて、ビニール袋に入れ、それをさらに小さい箱につぶれないように入れて持って帰った。本当は植物って海外から持って帰ったりしちゃいけないんだよね。でも自分のささやかな楽しみのためくらいなら、かまわないんだよね。(←そんなことはない。)
 家に帰って開けてみたら無事だったので、水に挿して1ヶ月あまり。だんだんと切り口のところが丸く膨らんできた。これは根っこが出るかもしれぬ。毎日毎日観察しつつ、楽しみつつ、やっと根っこが出てきたみたい。結構しっかりした根っこなのだ。葉っぱの緑もあせずに、取ったときのまま。すごく丈夫なのだなあ。もう少し根っこを伸ばしたら、さあ、どこに植えようか?とても楽しみだ。