ジーリオ島

 

前にもちらっと書いたことがあると思うが、毎週月曜日と土曜日にBS日テレで放送される、「小さな村の物語」という番組。昨夜も観ていたら、採り上げられていた町が、ティレニア海にある小さな島、ジーリオ島のカステッロという集落だったのでびっくりした。おととしのヴァカンスで行った場所が、ここだったから。
 この番組では、かなり小さな、まったく知られていない村が採り上げられることがほとんどなので、この間の旅行のときに、この番組を観るため用に、イタリアの大きな地図を買って帰った。それでもテレビを観ながら、えっと、どこかな、どこかな、と地図の中の地名を探しても、載っていないことがほとんど。夫は、「いかん。今度はさらにくわしい地図を買ってこよう。」と言っているが、そこまではしなくてもよいと思う。それにしても私たち、この番組に出てくる町にまで行ってるとはね、お馬鹿にもほどがあるよ。
 ジーリオ島へ行くには、やはりこのブログに以前書いた、ポルト・サント・ステーファノ(http://d.hatena.ne.jp/cucciolo-mayu/20090412/)から出る船に乗ることになる。リゾート地なのでジーリオ島にもホテルはあるが、私たちはポルト・サント・ステーファノに宿を取って、日帰りで出かけた。

 船が着くのは、イタリア語で港を意味するポルトという場所。そこからバスに乗って、カステッロに向かう。カステッロからさらに先までバスに乗っていけば、けっこういいビーチがあるらしいが、私たちは行かなかった。

 カステッロは島の高い場所にあって、着いたときは暗い雲がたちこめ、どんよりなんていうもんじゃなくて、ずどーーんと気分が落ち込みそうな天気だった。そのうち雨も降り出し、風も強くなって、高台だから気温もぐっと冷え込み、9月上旬なのに、とても悲しい気分になる天気だった。城を意味する、カステッロの地名からもわかるように、この集落にはお城が残っているので、とりあえずそこで写真を撮り、絵葉書を買ったら、もうこの町からは早く立ち去りたくて、すぐ次のバスで、下のポルトまで戻ることにした。だから滞在したのは、一時間ちょっとくらいだったんじゃないだろうか。そんなだったから、私たちの中では、このカステッロについてはあまり良い印象がなかったのだけど、昨日テレビを観ていたら、とてもなつかしくなってしまった。
 ポルトまで戻ったら、お天気はぜんぜん良くて、さっきまで山の上で凍えていたというのに、今度は水着に着替えて、海水浴をすることになった。天と地の差とは、このこと。
 夏が来ている。ヴァカンスだ。イタリアなら、早い人はもう出かけていく頃だ。そう思うだけで、そわそわ、そわそわ・・・