多肉の花

　　　　　
　　　　　
　しばらく前からです。窓辺の多肉植物から、脇芽のようなのが出てきて、だんだん伸びてきました。伸びてくると、その先にブロッコリーを小房にわけたときのようなものが見えてきました。マイクみたいだったので、顔を近づけて、アーアー、と声を出してみたりしてました。
　それが良かったのか、（良いわけがない。）今日見たら、花が咲き始めていました。やっぱり花だったんだ。去年、家の裏に放ったらかしにしているアロエの中心部分から、やはりびよーーんと、それはそれは高く、茎のようなものが伸びて、その先に花火のような花が咲きました。それと雰囲気が似てたので、たぶん花が咲くのだろうとは思っていたけど。
　多肉植物やサボテンの花や実のつき方って、ちょっとびっくりします。何かの間違いではないだろうか、と思ってしまう、私には不自然な咲き方、つき方です。シチリアに初めて行ったときに、ミッキーマウスの顔と耳の形のようなサボテンの、耳の部分にコブのようにいくつも実がついているのを見て、ぜったいありえない、と思ったのを覚えています。そしてイタリアの市場で、Fichi d'india フィーキ・ディンディアという名前で売られている果物が、そのサボテンの実だと知ったときもびっくりしました。Fichiはイチジク、Indiaはインドのことなので、私はずっとインドから輸入したイチジクを売っているのだと思っていたからです。直訳ではダメだったのです。夫に大笑いされました。
　多肉植物には期待とか予想のようなものを裏切られつづけているので（いい意味で）、育てていて楽しくて、飽きません。