まかない風

 

おととい、リビングのエアコンが全然きいてないよ、と夫に言われてから、エアコン故障騒動に発展した。結局、機械音痴の私たちの勘違いで、エアコンのほうは問題なかったので良かったのだけど。
 昨日のお昼ごはんの時間は、まだエアコン騒動の真っ只中であったため、暑いダイニング兼リビングで、一体どうやってごはんを食べたものぞ、と考える。突然やってきた猛暑で、エアコンなしではとても食事はムリなのだ。私はこういうことを考えるのがわりと好きだ。結果はだいたい功を奏さずに終わるのが常であるが、無駄に工夫してみるのが、なんか好きなのだ。その結果、ベランダに炊飯器やオーヴンを出して、ごはんを炊いたり、肉を焼いて、暑さをしのいだつもり、という、あまり意味のない工夫を生み出すことになる。
 で昨日は、台所に幸い小さいクーラーがついているので、それを運転させ、台所でごはんを食べる、という方法を思いつく。この時点では、すっごくナイスアイデア!と自分では思っている。さっそく調理台のうえにのっかったモノをどかしたり、しまったりしてスペースを作り、椅子を置いた。食べられるだけのスペースはとりあえず確保。
 夫がお昼を食べに帰ってきた。(←おそろしい企画。)台所を一目見て、私がまたアホなことをやりだした、と思っている様子が見てとれる。
 またメニューはパスタとサラダだったのだが、調理台に並べると、どこかの食べ物屋さんのまかないの時間みたいになる。イタリアの庶民のお宅では、なぜかキッチンが長細い形の部屋に作られていて、流しやガスレンジを壁に沿って配置したら、反対側の壁に小さいテーブルをくっつけたすんごく狭いスペースで、家族が顔を寄せあいながらごはんを食べるふうになっている。夫はそんなイタリアのありきたりな台所風景を思い出したようで、すごく喜んでパスタを食べる。いつもと同じメニューなのに。
 また、まかないにしてね、と言われ、めずらしく成功に終わった私の工夫。