三岸節子記念美術館

     

 一宮市にある三岸節子記念美術館に行ってきた。今は一宮市になったけど、旧尾西市だったところ。来年、ここで夫とコンサートをすることになったので、今日はその下見もかねて、打ち合わせ。
 入るとすぐに天井の高い、気持ちのいいロビーになっていて、ここでコンサートするらしい。(←人ごと。)2005年に開かれた愛知万博のときからのご縁で、一宮市(旧尾西市)では、イタリアからアーティストを呼んでコンサートなんかをやったりして、イタリアの文化を紹介する活動をしてきたらしい。だから今回いただいたお題も、イタリアにまつわるもの、ということなので、つまりは好きにやっていいってことか?
 せっかく来たので、全然わからないと思うが、三岸節子さんの作品も見せてください、と言って見せてもらう。ざっと読んだだけだけど、経歴がすごかった。明治38年生まれ、家族の反対を押し切って画家を目指し、19歳で画家の三岸なんとかさんと結婚。(ご主人もすごく有名な方だそうだ。ご主人の美術館は札幌にあると聞いた。)その後、3人の子供をもうけるが、29歳で未亡人となる。んでそのあとは、40何歳かで初めてヨーロッパにわたり、んで63歳で再度渡仏、たしか南フランスに住んで、84歳だかまでヨーロッパ暮らしだったらしい。
 最初に見た部屋は、ヨーロッパに渡るまでの作品が展示されたスペースで、静物画が多かったが、私は絵のことは何にもわからないものだから、ふーん、って感じで見ていたのだけど、次に見た部屋の、ヨーロッパに渡って以降の作品がすごかった。パワーがぜーんぜん違う。70歳とか、80何歳とかになって描いた絵が、ものすごいパワーなのだ。私はこういうパワーは、年齢を重ねるにつれて、弱くなっていくのではないかと思っていたが、間違いであった。円熟、というのとも違う。ああいうパワーは、絵だろうが音楽だろうが、同じものだと思った。強さ、だ。
 そして、やはり自分が身を置く環境というのは大切なのだ。ヨーロッパはやっぱりすばらしいのだ。彼女もヨーロッパを見たからこそ開花したのだ、そう思った。