冬支度

 昨夜、ブログを書いてから、無理やり旅の準備をはじめた。無理やりというのは、自分ではまだ旅気分になっていないけれど、時間がないし、いずれやらなければいけないのでやる、というノリ。家事をやっているときと似ている。
 今回の行き先には、北イタリアも北イタリア、スイスやフランス国境にも近いアオスタが入っている。アオスタで夫の用事を済ませたら、せっかくそこまで行くなら、チェルヴィニアまで足をのばそうと思っている。チェルヴィニアはチェルヴィーノ(マッターホルン)の山麓にある町。アルプスの雄姿、有名なマッターホルンは、イタリアではチェルヴィーノに呼び名が変わる。マッターホルンが拝めるのは、スイスのツェルマットの町が有名だが、私たちはマッターホルンをイタリア側のチェルヴィニアの町から見よう、というわけだ。言葉が通じることと、イタリアなら食べ物がまずいことはないから、というのが、イタリア側を選んだ理由。(スイスの食べ物は殺人的にまずい、と何人もの人から聞いた。)というわけで、我が家ではチェルヴィーノを、裏マッターと呼んでいる。
 夜遅く、洋服を選びながらふと気がついた。裏マッターって寒いんじゃないか?気温何度?標高何メートル?何を着ればいいの?夏服ではムリじゃない?それよりも遭難しない?
 夫に訊くと、「すごーく標高は高いよ、たぶん。」みたいな返事で、くわしいことは彼も知らないようだった。遭難しないか、という問いには、チェルヴィニアは町なんだから、あんなところで遭難したら、お前格好悪いぞ、笑われるぞ、と言われたので、遭難はしないと思う。
 今朝、アオスタの気温を夫がネットで調べてくれたら、やっぱりすごく寒いらしい。だってチェルヴィニアの町が、標高2050メートルって言ったかな?気温は上が18度で下は7度とか。しかも日によってすごく気温差がある。これはいかん、冬服だ。フリースか?いや、それくらいではダメで、綿の入ったジャンパーか?もうぜんぜんわからない。
 さらにネットで調べると、同じ時期にチャルヴィニアに行った人の記事が載っていた。太陽が出ているあいだは、暑い暑いと書いてあって、写真ではノースリーブ姿になっている。が、その後、山を登っている途中と思われる写真では、雪が残っていて、「これを持ってきといてよかったー。」というコメントが書いてあり、ジャンパーみたいなのを着て写っている。よく、山の天気は変わりやすいというが、要するに、めちゃくちゃな天気なのだ、というふうに理解させてもらった。
 このクソ暑いのに、冬服を取り出す。ほんとは見るのもいやなんだが。でもこんな風にあれこれやっているうちに、だんだん自分が旅行モードに入ってきた。テンション上げていきましょう。おまけにユーロも、ここのところすごく上がってきてるし。つくづくお金には縁の無い私たち。