ああ、お盆休み

     

 お盆のせいか、町にも人が少ない気がする・・・レッスンも、私はお盆に関係なく、レッスンできますよ、と声をかけたけれど、今日は生徒さんのほうが全員お休みだった。
お正月やお盆、ゴールデンウィークなんかで、国民みんなが一斉にお休みしましょ、というの、すごく好きです。いいと思います。もっともっとあっていいと思います。
 昨年の夏はシチリアに行きました。イタリアきってのリゾートとして有名な、タオルミーナの街は、おバカの国そのものでした。ピノッキオの本のなかに、毎日が日曜日の街だか国だかが出てきます。誘惑に負けたピノッキオはその国で、日曜日しかないから学校に行くことも、勉強することもなく、来る日も来る日も遊んで暮らす、という場面が出てきますが、あの日曜日の国はこんな感じなんじゃないかな、と思いました。
 朝起きて、ゆっくり朝食を食べたら海に行って、寝っころがったり泳いだり。お昼はそこらへんで買ってきたパニーノを食べて、日が高くなって暑くなったら部屋に帰って昼寝して、また夕方ぶらぶら散歩して、そろそろ晩ごはん?とか言いながら、ごはん食べても街にはまだ人が一杯で、夜中になるまで、みんなでくっちゃべったりアイス食べたり。広場でも大道芸人みたいな人や、絵描きさんがいたり、楽器を弾いたり、歌ったり、とてもにぎやか。街にいる人みーんなそろって、お休みモードでした。
ずーっとここにいたいな、と思いました。でもずーっといると自分が破滅に向かうのだろうな、とも思いました。(←今話題の、麻薬に似てる?)

       
       

 夜、タオルミーナの街の中心にある、4月9日広場で。アコーディオン弾きのおじさんと歌うおじさんと、打楽器担当(???)のおじさんの3人グループの、コンサートというよりは、営業、と呼ぶような催しものをやっていました。たまたま通りかかったので、立ち止まって聴いていました。打楽器のおじさんの、振ったら音のする楽器を見たことがなかったので、それ、なあに?とおじさん訊くと、ビールだよ、ビール、と言われました。ビールの空き缶を振っていたのでした。音がするので、中には何が入っているの?と訊くと、砂だよ、砂、と答えました。さすがおバカの国はちがうなあ、と感心しました。私も日本に帰ったらやってみよー、と思って、まだ実現できていません。
 歌い手のおじさんが私たちを見つけて、「カンツォーネジャッポネーゼ(日本の歌)、フォーユー!」と言って、突然歌いだしました。
曲は「バラが咲いた」のメロディーで、♪ば〜らがさいた、ば〜らがさいた、ば〜らがさ〜い〜た〜、ば〜らがさいた、ば〜らがさいた、ば〜らがさ〜い〜た〜♪という日本語の歌詞でした。(しかもここまでで終わり。)おそるべし、おバカの国。これも使える!??こちらもまだ実現してはおりません。