イカのストゥファート

     

 晩ご飯に、お魚のメニューを考えていたのですが、魚を買っていません。冷凍庫に、ゲソが残っていたので、これで何とかしようと頭をひねり・・・そうだ!ストゥファートにしよう!
 辞書によると、ストゥファートは、シチュー状に煮たもののことだそうです。このイカのストゥファートは、海辺の街、ポルト・サント・ステーファノに行ったときに出会いました。とても美味しかったので、たぶんこんな感じだろうと、勝手に想像して作るようになったメニューです。
 つぶしたニンニクとオリーヴオイルを、圧力鍋に入れて火にかけます。香りがでてきたら、たまねぎ、セロリのみじん切りを入れ、軽く塩をしていためます。
 イカは内臓をとってリング状か、あるいはもう少し小さく切っておきます。(今日の我が家は、貧乏くさくゲソのみ。ま、細かいことは、気にしなくて良いのです。)さっきの圧力鍋にイカも入れて、色が変わるくらいまで、軽く一緒にいためます。
 ここへ白ワインと水を適当に入れます。材料がひたひたになる感じです。ここまで来たら、圧力をかけて煮ていきましょう。時間にするとどれくらいでしょうか?わかりません。20分?もうちょっと?イカがやわらかくなればいいです。
 火をとめて、圧力鍋を開けても良くなったら、ここへトマトの水煮を少々と、カレーに入れるよりも小さく切ったジャガイモを入れて、ジャガイモがやわらかくなるまで、フタをとって煮ていきます。水分をとばしながら、ジャガイモも火が通って、ほろっとくずれるくらいになったら完成。塩、コショウで味を整えます。簡単です。
 ミラノの語学学校に通っていたときのことです。授業で読んでいた、料理について書かれた文章のなかに、pesce e patate 魚とジャガイモというくだりがあって、私は思わずそこのところで、「魚と、えっ?じゃがいも???」と聞き返してしまいました。すると今度は逆に先生がすごく驚いた様子で、「どうして???魚とじゃがいも、すっごーく合うのに。知らないの?えっ?食べたことないの?ウソーッ!?すごーく美味しいのよお。」と言うではありませんか。イタリアだけでなく、おそらくヨーロッパでは、ほとんど出会いもの、というような組み合わせなのだと思います。それから気をつけていると、たしかに魚の付け合わせは、イモです。めちゃめちゃ合うものだと、今では私も思います。このイカのストゥファートは、最後の段階で、ジャガイモを一緒にいれてしまって、トマトも入れてしまって、シチュー状に煮上げてしまうのです。絶品です。