一段落

 クローゼット収納4日目。今日は早めのお昼だったので、午後、ぐっと集中してやる。
 私も忘れてしまっていた服がけっこう出てくる。値札がついたまま、なんてのもあったが、すでに今ではこの形は着ないでしょう、というデザインで、捨てたものかどうか、おおいに悩む。今回のこの作業は、単なる肉体的な労働だけならここまで疲れなかったと思うが、処分しようかどうしようか迷ったり、どこに収めようか頭を使ったりしたことで、すごく疲労感が増した気がする。やっぱり私は頭を使うことには向いていない。
 一時はどうなることか、と思う場面が多々あったが、頑張った甲斐あって、今日でずい分めどがついた。清々とした気分だ。自分で自分を褒めてやりたい。(←すごく自分に甘い。)しかしすっかり夕方になっていた。達成感に浸る間もなくレッスンへ。
 レッスンを終えると、仕事から帰ってきていた夫は、すっきり片づいたクローゼットでお召し換えをしていたようだ。夜、コンサートを聴きに出かけなければならない。行かねばならない、聴きたいわけじゃない、そう、これも仕事。
 この間の旅行のときに買ったばかりの、おにゅーのスーツに、一緒に買ったおにゅーのネクタイをしめて登場した。「どう?どう?やっぱりイタリアの服ってカッコイイよねえ。」と言いながら、姿見に自分を映し、「うん。自信を持って、行って来ます。」とご満悦。「もうこれ以上、買わないでね。ひとつ買ったらひとつ処分してね。っていうか、あのあのゴッドファーザーの麻のスーツは捨てたほうがいいよ。」と言ってやったが、おそらく耳にとどいていない。本当に洋服が好きなんだねえ。
 「地下鉄の駅まで送ろうか?」と、車の運転の苦手な私が親切に申し出たのに、「リニモで行くからいいよ〜」と、ほとんどスキップ状態で出て行った。