予約済

 土曜日の夜から、にわかに活気づいている cucciolo家。

 日頃から用もないのに、ふらふらとネットで検索しては、安い航空券を物色したり、そのチケットで飛行機に飛び乗って、ひとりでぐおーーんと仮想旅行に出かけたりするcucciolo ですが、土曜の夜もそんなことしてたら、見つけちゃいました、ゴールデンウィークのチケット。
 すごく安い。間違いじゃないかと思うくらい安い。ゴールデンウィークだし、もう予約、うまってるよなあ、とは思いつつ。たいていここまで安いチケットは、初めからそんなに枚数は用意されてなくて、はっきり言ってしまうと客寄せ、という意味のものなのだけど、この金額から少しずつ上へ、とじわじわ値段を上げていくと、まだ席は残っています、と言ってもらえることが多い。まあ2,3万アップ、というところが現実、それでゲットできればいいけどなあ。それでもこの時期にしては、とても安い。それも南周りの便などではなくて、ヨーロッパ系列の、一度乗ってみたかった航空会社。決して、かつては「信頼の翼」などと謳われ(←古。)もてはやされた、問題山積のJALなどは予約しない。
 夫はネットの画面を見て、もうすっかり行く気になって、予定繰りをはじめてしまった。まだ肝心のチケットが取れてもないのに。

 昨日の朝も夫がセンター試験に行くので、すんごい早起き。(←ったって6時なんですけどね。)朝から夫は、「イタリアに行けると思えば、センター試験くらい、なんのそのだ。」と言い、「とにかく君は今日、旅行のほうをしっかりやっておくように。」と言い残して出かけてしまった。
 大役を仰せつかった私は、開店時刻の10時前に電話の前でスタンバイ。いつも使う旅行会社の最寄の支店は日曜休みなので、仕方なく同じ会社の名古屋支店へ電話。そんなに急ぐことでもないようにも思われるけれど、一刻を争うことであるようにも思われる。
 電話に出た若い男性に、希望の出発日、そして第一希望だった、ネットで見た最安値のン万円のチケットで空席を見てもらうも、やはりすでに一杯。「もうちょっと高いチケットでもいいです。」と言い、2万円アップの金額のチケットで調べてもらっても一杯。キャンセル待ちかけてください、と言っても、キャンセル待ちをかけれるタイプのチケットではありません、と断られ、前後に出発日をずらして調べてください、と言っても、お客様の希望の航空会社では、前後の日は便がありません、と剣もホロロ・・・そうですか・・・じゃ、いいです、と電話を切る。
 しかし!子供の頃から、母親には、転んでもタダでは起きん子、と言われた cucciolo である。ここでやすやすと引き下がることはできない。
 1分もせずにもう一度電話。お願い!別の、もっとやる気のある人、出て!
 という願いが通じたのか、今度ははきはきとした、感じの良い若い女の子が出た。
 さっきも電話しました、イタリア行きの、ン万円のチケット狙いです、あの、イタリアに着けるなら行き先はどこだっていいんです、ローマでもミラノでもヴェネツィアでも。○月○日の出発はムリだと言うことなので、もっと出発日の幅を前後に長く広げて空席を探してください、どうしても行きたいんです、行かないと死ぬかもしれないんです、チケット代もン万円のがないならもう少しは出せますから、と、私の方から歩み寄りを見せる。
 するとあったではないか、第一希望日だった日の2日後、3万円アップになったけれども、いたしかたない。「今の時点で、残り3席です。」とその女性はおっしゃるので、「それ、すぐに2席押さえて〜!」で、めでたしめでたし、となりました。

 振り返ってみて、我ながらすごい執念でした。なんでイタリアに行くためならここまで頑張れるのだろうか、と。もっとその頑張りを、自分のやるべき世界に向けるべきではないのかと。
 夜、帰宅した夫に、武勇伝を語るも、あまりに疲れてしまって、旅行の話自体が彼のなかからすっぽり消えて、チケットが取れたかどうかなんていう心配は、すっかり忘れてしまっていたらしい。ご苦労様でした。
 こうして生きる糧を得た私たちは、今日からまた頑張ります。