Baci di Dama

     

 夫の生徒さんの一人、大学生男子が、今日、初イタリアへ旅立ちました。
 とても真面目で実直で、おそらく慎重な性格の彼。そんな彼の、旅の前の静かな気持ちの高揚ぶりを間接的に耳にしながら、とてもほほえましく、好ましく思っていたおばちゃんです。
 あのー、先生、イタリアのおみやげと言えば、何がいいですか?とある日、夫は質問されたそうです。初めての外国旅行で、きっとあの人にも、この人にも・・・と考えているのでしょう。お土産を心配するあたりに、彼の律儀な面が多分にうかがえて、それだけでまたおばちゃんの中でポイントが上がります。
 「たとばハワイだったら、マカダミアンナッツがあるじゃないですか。あれみたいに、イタリアと言えばコレ、っていうの、何かありますか?」
 イタリア版マカダミアンナッツかあ・・・やっぱり形状的に、アレがすぐ思い浮かびますよね。で、「Baci バーチっていうチョコレートがあるから、それがいいと思う。」と教えたそうですが。
 もうこの話を聞いただけで、ああ、初めてって、若いってスバラシイ!と思いました。慣れる、あるいは年を重ねるということは、感動することも少なくなり、新鮮に思う気持ちも薄れるものかと、いとわしくさえ思いました。
 同じBaci でも、昨日いただいたのは、Baci di Dama というお菓子。関東方面にお住まいのかたからの贈り物です。(イタリアのものではありませんよ。)
 すごーく上品で美味しい。だって、貴婦人の口づけ、ですもの。よく何とかのタルト、というような名前のケーキの、タルト部分をしっとりとしたクッキーに変化させたようなお菓子で、チョコレートクリームがサンドされています。大事に、大事に、ひとつずつ味わいながらいただくお菓子です。ご馳走さまでしたー。