サクラ、サク。

 大学の合格発表でした。今年受けた生徒さん、二人ともそろって合格。快挙です。

 そのうちのひとりは、レッスンに通い始めてもうかれこれ7年くらい経つでしょうか。その間、たいへんなドラマがありました。

 不登校、留年、中退、引きこもり、入院・・・ずーっと、いつも何か精神的な問題をかかえていて。いつだって見せられるのは、人間の弱さ、みたいな面ばっかりで。そのたびに、私はものすごくイライラして、怒ってばっかりだった。(今思えば、ひどい接し方だったと思う。)この子に会うまでは、レッスンというのは音楽さえやっていれば良いと思っていたので、それ以外に、人間と人間のぶつかり合いみたいなことまで、レッスンのなかでやるのはひどく疲れて、正直、辞めてくれればどんなにラクか、と思ったことだって数知れず。しかし、乗りかかった船、なんだよね・・・見捨てることも出来ずに、はや何年・・・

 とーっくに大学を卒業する年齢は超えてしまった彼ですが、今振り返れば、ああ、これがあの子のペースだったんだ、と思う。だから、私もあんなにイライラせずに、ゆっくり付き合ってこれたらよかったのに・・・
 おめでとう、なんていう月並みな言葉は、だから彼には薄っぺらすぎて。でも心から、合格おめでとう。さあこれから、ろくに学校に通ったことのないあなたが、はたして無事卒業できるのか?今度こそ私は、イライラせずに見守りたいと思います。