迷走中

 例の噴火騒動で乱れに乱れたヨーロッパ間のフライトは、ある国からの便を除いて、無事運航が再開された模様。そのある国というのがフィンランドってどういうこと?!
 余談だが、みんなが心配ばかりして二の足を踏む中、ええいっ!と一番に飛び立ったのは、やはりアリタリアだった。いいぞ!行け!!だから私はあの国が好きなのだ、と、ニュース画面に映し出された、離陸するアリタリア機をみながら思ったのだ。

 しかし私は、どうにも離陸体制に入れない。今回は本当に行かない、いや行けないかもしれない。腰のこともある。そもそも旅行の計画自体が、いまやほとんど白紙になっていると言ってよい。飛ぶか飛ばぬかわからない飛行機の予約のほかに、確実に決まっているのは、到着した日と帰国前夜の、キャンセルのきかないミラノのホテルのみ。あとは何も決まっていない。つまりホテルも取れていなければ、いやそれ以前にどこに行くのか、何をするのかすら決まっていないのだ。

 そもそも私は何しに行くのだろうか?息抜き?ガス抜き?理由はいつも、おそらくそんなものなのだけど、今回は体調も悪いし、何よりこの盛り下がり様は、旅行前としてはありえない。
 最悪の場合、夫一人で行ってもらおう。彼はとても自立した人間なので、一人で旅をすることについては、そう問題はないと思う。ただ、パスポートをなくしたり、スーツケースのカギをなくしたり、間違えて隣のホームに停まっている電車に乗ってしまったり、つまりそういうぼんくらミスについては、大いに心配しているけれども。