どたばた帰国劇 1

 ただいまー。とのんきに言えたらよかったのだけど、現実は・・・

 5月9日日曜日。ミラノからフィンランド経由で帰国する予定で、朝6時過ぎには頑張って起きた。ねぼけまなこのまま、テレビをつける。と、その日のトップニュースのタイトルにVULCANO (火山)の文字が!つづけて、ヴェネツィアトリエステなど一部の空港を除く北イタリアの空港は、この日、午後2時まで閉鎖って言ってるようだけど・・・
 
 やってもうた?私、またやってもうた?

 フロントまで降りていって、空港が閉鎖されてるらしいけど、と言ってみるが、お兄さんは、「それ何のこと?」という反応。そこへ出勤してきたお姉さんが、「そうそう、私も今、来るときラジオで聞いた。」と言うので、フィンランド航空のコールセンターに電話してもらうが、電話が殺到しているのかつながらず。マルペンサの空港の電話もしかり。
でネットでいろいろ調べてくれたお姉さんが、「不思議なんだけど、ほとんどの便がキャンセルされてるのに、あなたたちの乗るヘルシンキ行きだけはキャンセルになってないのよねえ。これだともしかしたら飛ぶかもしれないから、とりあえず空港には行ってみたほうがいいと思う。」と言ってくれて。「もし飛行機がとばなかったら、私たち、家なき子になるんだけど、その場合、ここに帰ってきても大丈夫?」と訊くと、部屋は用意できるとの返事。ありがとう、お姉さん。(って、ぜったい私より若いけど。)朝食を済ませ、そしておそらくこの日は長期戦になることを予想し、朝食のパンやサラミ、チーズなどをいただいてパニーノを作り、さらにゆで卵ももらってカバンに突っ込む。「ゆで卵には塩が要るよ。」と、この非常事態にも夫がわがままを言うので、来る時の機内食についていた塩・コショウを取っておいたのを、もう使わないと思って部屋のゴミ箱に捨てたのだったけれど、もう一度それをゴミ箱から拾う。まあ、死ぬことはないだろう。
 で8時過ぎの空港行きのバスに飛び乗ったのだった。