悲しい色やね・・・

  
  
 ヘルシンキに降り立つ直前、窓から見えた景色・・・

 夏でこれだもの。自分は、こんなに悲しい国では、ぜったい生きていけないと思う。

 ルフトハンザでフランクフルトに降りるときも、かならず窓の下に広がる景色をのぞきみて、ぞっとする。

 そして想う。だから私はイタリアを選んでよかったな。間違いではなかったな。まぶしいほどに光り輝くイタリアの夏を、太陽をもとめて、寒い北国に住む人々は、イタリアへこぞってやってくるというのに。わざわざそんな悲しい色をした国に、音楽を学びに行く人がいるなんて。

 色がない国で音楽なんて・・・ねえ。