暮れゆくヴェネツィア

       

 カ・ドーロの水上バスの停留所から。なかなか日がしずまないから、これでも午後8時くらいじゃなかったかな?
 イタリアに行くと、いつも見とれてしまうのは空の色。晴れの日の青はウソみたいにスッコーンと抜けてそれはそれはすばらしいし、夕焼けだってもちろんうつくしいのだけれど、私がうっとりするのは太陽がしずんでしまってから。夜に色がある、といつも思う。蒼い夜は、もうそれだけでロマンティック。

 もう笑い話だけれど、この旅は、夫の昔の友人に振り回された旅でもあった。その人にはずいぶん前から何度もメールしてたのに、ぜんぜん読んでもらえてなかったみたいだ。がんばっイタリア語で書いたのに。私たちの予定はぜんぜん伝わってなくて、(っていうか、読んでもらえてなくて。)結局、その人に言われるがままに、私たちが大移動。ヴェネツィアから6時間(!)かけての電車の旅。

 「ちょっといくらなんでもヒドイよね、お宅のお友達。昔の友達がさあ、はるばる日本からやって来てるってのに、自分の予定に合わさせて私たちを振り回すなんてさあ・・・ったく、超ワガママなプリマドンナの性格、そのままなんじゃないの?!」キレる私。

 日本でだったら、もうそんな人にわざわざ会いになんか行かなくたっていい!となるはずだけど、飛行機乗って来ちゃってますからね、ここは何としてでも会っときましょーよ、となったわけです。

 が。会ってみたら、すご〜くいい人だった!びっくり!!!ただ、人の話は、やっぱりあまり聞いてない人。あ、でもこれってイタリア人の標準かなあ?

 そのすてきな再会のシーンについては、また後日。