静かに、ブーム

    

 秋も深まり始めた頃だったか、教育テレビの「趣味の園芸ビギナーズ」を観ていたら、「この時期になっても、まだ花芽がついてなければ、短日処理をしてください。」と先生が話され、んでうちの鉢を見てみたらぜんぜん花芽などついていなかったので、どういうこっちゃー?!と大慌てで、テレビの先生の言われるままに短日処理とやらをほどこしたデンマークカクタス。おかげさまでめでたく狂い咲きました〜。先生、ありがとう〜!(「やっぱり間違いなくビギナーズやな。」と夫に言われた。)

 週末、おとなりさんとお花を買いに行ったり、いやいやそれよりも前から、ここのところの私は静かに園芸ブーム。と言っても、たいして庭に変化が見られないところがビギナーズたる所以。
 そして私だけでなく、どうやら両隣の奥様方も園芸ブームのようなのだ。「庭仕事にはまってると、夜、寝るとき目をつむっても、えーと、あれはこっちにやって、んでそれはあっちに・・・って、庭のことが頭のなかをグルグルする〜。」とおっしゃる言葉に、私も、私も、と。
 10年まえの私だったら、こんな自分の姿、想像もできなかったな。自分にとっての大事なものって、年をとるにつれて変化していくものなんだね。変化しないといけないものなのかもしれない、とも最近思う。

 デンマークカクタスのことを、子供の頃、ばあちゃんが「カニシャボ」と呼んでいたのをよく覚えている。葉っぱのつながってる形が、カニの足の関節に似てるからだと思う。シャボはサボテンのサボがなまっただけだと思うけど。そのカニシャボは、なんか自分は好きじゃない花だと思っていたのに、いつの間にかとても大事に育てるようになった。