ルッカ

     

 一昨日、オリーヴの苗木を新しく植え替えてもらいました。

 おとなりさんのご主人様は、おやす堂さんという庭師さんで、これまでにも何度もお世話になっておりますが、今回も自分の手にはおえない作業と判断いたしまして、おやす堂さんにお願いいたしました。出来ないことはプロにお任せする。これはとても大事なことだと思っています。

 オリーヴの木は3本ありましたが、なぜだかうちのは実がつかないんですね。そのうちの1本は、いつの間にか、樹形も許せないくらいヘンテコな子になってしまって、ついに植え替えを決心。オリーヴの木には雄と雌があって、実をつけるためには雌を植えないといけない、とか、違う種類を植えるといい、とか、どこまでがホント?と思ってしまう情報もこれまでいくつか耳にしておりました。雄と雌は苗木の段階ではプロの方でも判断がつかないらしく、そこはもう2つにひとつのギャンブル!のつもりで思い切っていって、違う種類の、というところだけは、どうにか叶えたく思いました。が、もともとうちにあるオリーヴの種類がわからない、という始末・・・

 おやす堂さんの仕事ぶりは、人柄そのもので穏やかです。植物を相手にしていると、性格も物腰も、そうなっていくのでしょうか。私のイタリア好きをご存知で、「トスカーナから来ました。」と、さりげなくナイスなボケをかましてくださいながら、のんびりとやさしく作業していきます。たぶんどんな職業の方でも、こういう風に仕事に向かえたらとても幸せでいられるのに、とその姿を拝見しながら思ったのでした。

 トスカーナからやって来た庭師さんが選んでくださったオリーヴは、ご本人が知ってか知らずか、「ルッカ」という、これまたトスカーナの古都と同じ名前の種類の苗木だったので、私は内心、とてもウケていたのでした。うちにいた子よりももうちょっと丸い形の葉っぱの、あきらかに違う種類の子です。大事に大事に育てていきます。

 あ、ちなみに私にリストラされそうになった子は、今後大きな鉢植えで第二の人生を歩みます。