「つれてってー。」

 わが家が散歩コースにしている遊歩道のような川沿いの道の途中に、保育園があります。夕方ごろ通ると、お迎えのお母さんを待ちながら、にぎやかに外で遊んでいる子供たちがいっぱい。幼稚園の園庭と遊歩道はフェンスで仕切られていて、フェンスに沿って木が植わっているのですが、元気が良すぎる子、あるいは先生の目から離れてしまった子が、よく植え込みの外のフェンスギリギリのところまで進出してきて遊んでいます。

 夫がひとりで散歩に行った折、ちょうどこの保育園のところを通りかかると、例のフェンスのところまであぶれて遊んでいる女の子がふたり。その子たちに、突然話しかけられたそうです。

園児A・B「こんにちはー。」
夫  「こ、こんにちは。」
園児A「あのね、いまね、ぶどうがりごっこしてたの。」
夫  「えっ?なにしてた?」
園児A「ぶどうがりごっこ。してたの。ねえねえ、あのさ、ぶどうがり、行ったことある?」
夫  「えっ??ぶどうがり???う、うん・・・むかし・・・行ったことあるかな・・・。」
園児A「うわあ〜〜!!!いいなあ!!!!ねえねえ、おねがい、ぶどうがり、つれてってー。おねがーーい!つれてってーー。」
園児B「あのね、○○ちゃんねー(←自分のことらしい。)、いちごがりと、みかんがりと、ぶどうがりと・・・いってみたい。ねえ、おねがーい、つれてってー!」
園児A・B「おじさーーん!!!おねがーーい!つれてってーーー!!!ぶどうがりーーー!つれてってーーー!!!」

 となってしまい、夫、大慌てで退散したそうです。

 マスクをし、帽子を深くかぶった怪し〜いことこの上ないおっさんに、つれてってー!というおねだり。大した度胸です。
 そして何より、夫がふたりを連れて行かなくて、よかった。