ダウン。

 木曜日。夕方、ちょこっとショックなことがあって、くよくよしていたら何だか吐き気までしてきた。夕飯も食べたくない。私の精神の、なんと弱っちいことよ・・・と自分に対して落ち込んでいたところ、今度は寒気がする。

 風邪だった。ひさびさの高熱。体温計の水銀がぴゅーっと上がる。うちはいまだに水銀の、昔ながらの体温計を使っている。あの、病院で、「お熱、はかっていただいていいですか?」と言って渡される、計測できたらピピピッ!と音で知らせるやつ、あいつを私はなぜか信用できない。

 一晩、猛烈に苦しんだ。熱にうなされる、というのは、まさにあの夜の私の様子を言うのだろう。発熱するということは、私の身体がウイルスをやっつけるために戦っている証拠なので、熱さましの薬は飲むなよ、と夫が言うから、忠実にその言葉に従ったため、一晩まるまる苦しみあがいた。がんばれ、私のナチュラルキラー細胞よ!と、自分の身体を叱咤激励しながら。

 苦しみながらも、久しぶりの熱の上がっていくときの、身体のガクガク震える感じや、ぞくぞくする悪寒を、丹念に味わった。こんなに熱が出たのは、いったい何年ぶりだろう。年をとったら体力がなくなって、なかなか熱も出さないものだな、と思っていたが、意外に私もまだ若いのかもしれない。

 ちなみにこの風邪は、夫からもらった。夫もまだすっきりはしていないが、私よりは断然症状が軽い。(ということは、年寄りだからか?)さらにつけ加えると、夫はこの風邪を、同僚からもらった。会議で隣りに座った同僚の先生が風邪をひいていて、「マスクをしているから大丈夫。」と言ってゲホゲホと咳をしていたそうだ。うらみつらみをこめながら夫は、その先生に、自分も風邪をひいてしまった、と伝えたところ、「(忙しい)12月にひかなくて、今ひいといて良かったじゃないですか。」と返されたと言って、キレていた。

 皆さんもお風邪にはどうぞお気をつけあそばせ。