戦利品

     

 食事編につづき、忘れかけていた旅の思い出。

 ボローニャ中心部から駅に向かうバスに乗っていたほんの一瞬。びゅんと通り過ぎた窓の外の光景に「はっ!」として、その直後には、次、降ります、のブザーを押していた。こういう市を目ざとく見つけたり、偶然に行き当たったりするカンも、ずいぶんと養われつつあるなあ、と自分で自分を褒めたい、とまでは思わないけれども。人によって興味のあるなしで、わあ!蚤の市!!!と目がハートになるか、ホコリまみれのただのガラクタじゃん、となるかは、分かれるところだと思いますが。私はもちろん、蚤の市胸キュン派です。(いい年して・・・)

 この日買ってしまったもの。

     

 右から。(はい、写真が斜めってますので、右下のところね・・・)ミルクピッチャー(みたいなの)。和食器の片口が大好きな私。その代わり?というわけなのか、洋食器になるとミルクピッチャーに目がありません。写真の絵柄の裏側には、Piedilago というどこかの街か村の、リストランテの名前が入っています。市外局番から察するに、クレモナとかマントヴァの近くか?お店で使われていたものが、縁あって、東洋の果ての、私の家までやって来た。うーん、ロマンを感じますねえ。(感じないか。)

 真ん中のもピッチャーに見えて、これはそそぎ口が格好だけで口が開いていないので、花を挿すのに使っています。私が発見したときは、ホコリというよりも、泥(?)をかぶったみたいに、グレーでした。洗えば素敵になる!と直感して購入。

 左のフタ付きの陶器は、パープルの手描きの花の絵が気に入って手に取りました。裏を返すと、これ、古いリチャード・ジノーリのものでした。(余談ですが、イタリア人がリチャード・ジノーリのことを、「リシャール・ジノーリ!」とフランス語ふうに発音するのは気取っているからでしょうか?私は日本風に、リチャード・ジノリと言ってもぜんぜん通じなくて、きっとリチャードが英語だからダメなんだわ、と思い、「リッカルド・ジノーリ」と思いっきり舌も巻いてイタリア名にして言いかえたにもかかわらず、相手はあいかわらず??のままで、「ほれ、あの、陶器の有名な・・・」などとあれこれと説明を加えてやっと、「ああ、リシャール・ジノーリ!」と直されたときには、はなはだ納得がいきませんでした。)というどうでもいい話はさておいて、お値段もおまけしてもらって手に入れた、お気に入りの旅土産です。

 こうしたものを買い始めるとどんどんラクタが増えてしまうので、自分に課しているルールがあります。使う目的が頭に浮かぶモノを買う、ということ。(それだけかい?!)

 旅の途中、小さな街で、週末なんかにのんびりとやっている蚤の市に出会えると、それだけで何だか得した気分になってしまうのは、私だけでしょうか?