お国柄

 昨夜、偶然に観たテレビ番組。チャンネルをカチャカチャ回していて(←おいおい、さすがにもうそんなテレビはどこにも使われとらんだろう。)、思いっきり途中から観たのだけど、すごくおもしろい実験(?)をやっていた。

 男の人が、ズボンの前のチャック全開で、町ゆく人を呼び止めてインタビューのフリをするんだけれど、実はその呼び止められた一般人が、インタビュアー役の男性に、チャックが開いてますよ、と教えてあげるのか、教えてあげないのか、という内容のもの。しかもこの調査を、中国、エストニア(だったかな?)、南スーダン、日本、イタリアの各国において行い、国によって結果がどう違うのかを見る、という実験なのだが、内容も下品だし、私はこういうアホくさいことをマジメにやる人たちが大好きなので、食い入るように観た。

 結果はというと、(たぶん合っていると思うけれど)中国は10組中5人が、チャック開いてますよ、と教えてあげる派で、わりとはっきりモノを言う国民、なのだそう。エストニアは、北の寒い国だからかシャイな人が多い?とかいう理由で、10組中2人が教えてあげていた。南スーダンは、最近まで内戦があって、外国人に対して閉鎖的だから?という理由により、10組中教えてあげた人は0人。日本人も、恥ずかしかったり、開いてますよ、と言われた男性が恥ずかしい思いをするだろうから、という心遣い(?)から、教えてあげない人が多く、10組中2人という結果。

 問題は、最後のイタリアである。実験の行われていた場所は、私の見間違いでないならば、あれはミラノの、地下鉄のリマ駅を上がってすぐの、コルソ・ブエノスアイレスの大通りに面した、なぜだかそこだけ毎日、こじんまりとしたメルカートのように、安物の服やなんかを売る店の出る広場であった。
 実験の結果は、予想したとおり、10組中10人全員が、開いてますよ、と教えてあげたのだった。おっさんはもちろん、子供から若い女性までみんな、笑いながらではあったものの、たいして恥ずかしがることもなく、ちゃんと注意してあげていた。(ちなみに私も、「あんた、そこ開いてまっせ。」と小さな声で教えてあげると思う。)

 だからイタリアが好きだ。おかしなところもいっぱいあるけれど、やっぱりどこか健全な国だと思う。