キッチンにて・・・

      

 ♪春は名のみの 風の寒さや

 ずいぶんと春めいてまいりましたが、まだまだですね・・・

 野菜として売られている菜の花を、全部料理には使わずに、必ず一、二本は取り置いて、コップの水に差しておきます。ちゃんと黄色い花が咲いて、キッチンにも明るい春がやって来たよう。

 出窓ふうになった陽のあたる台所の窓辺は、和食器を乾燥させる定位置となりました。陶器の裏側の、釉薬がかかってない部分をしっかり乾かさずに仕舞いこむと、湿気の多い日本では、カビっぽくなることがあります。ふきんで拭いたらひっくり返して、半日くらいはお日様にあててから、なるだけ扉のついていないオープンな棚に仕舞って、大切に使っています。

 日本の調理道具や陶器は、自然の素材で作られているために少し手間がかかりますが、そこにあるだけで日常にあたたかさが加わるような気がして、最近は手入れそのものも愉しみながら、どんどん使っています。