孤軍奮闘

 今回の私たちの頑張りを、こんな言葉でねぎらってくださった方がありました。この2週間の苦労を、本当に解してくださった方がどれだけいるかわかりませんが、私はその方の言葉に、慰められました。

 金曜日の夜に無事コンサートを終え(おかげさまで会場も満席、盛況のうちに終わりました。)、その夜は彼らと同じホテルに宿泊。土曜の早朝、空港まで付き添って諸手続きを済ませ、出国検査の入り口にて激しい抱擁とキスの嵐で別れの挨拶を交わして彼らを見送ったあと、私たち夫婦で万歳三唱しました。その後やっとの思いで家に帰ってからは、土曜、日曜と、夫婦二人共、死んだように寝ました。「風邪ひいたときみたい。いくらでも、どんだけでも寝れるね。」と言いながら。

 コンサート会場のある施設で、コピー機を発見したイタリア人よ。お願いだから、日本の紙幣をコピーして、記念に持って帰りたいなどと、ダダをこねないで。「そんなことしたら、警察が飛んで来るから!」と必死で止める私に、「なんでだ??なんでダメなのか、説明してくれ!!」と、怒鳴るのもやめて。

 走っている車の後部座席にて。窓の外に、Hotel San Marino ホテルサン・マリーノという看板を見つけて大喜びしているサン・マリーノ人よ。そこはれっきとしたラブホテルだ。

 風邪をひいて日本に到着した彼。鼻水がひどいので、私は気を利かせて、ティッシュペーパーをたくさん持って行ってあげたのに、気に入ってもらえなかった。イタリアの、ごわごわした鼻紙みたいなのが、どこかに売っていないかと。そんなものはない、と付き合いきれない私は即答したが、その後彼が鼻紙として愛用していたのは、自分で見つけて買ってきたキッチンペーパーだった。鼻水が出そうになるたびに、バッグから大きなキッチンペーパーのロールを取り出して、一枚破いて鼻をかむ姿。まわりの日本人はぽかん・・・としていたよ。

 ともかく疲れたが、なぜか、これほどまでの苦労を乗り越えたのだから、と、自分が以前よりもパワーアップしているような気がするのも事実だ。

 40代。まだまだ鍛えられるもんだぜ。