世界征服系?

      

 チコリの花。別名アンディーブと呼ばれている野菜も、チコリと同種ということで良かったでしょうか?お店で売られているチコリという野菜は、どこか上品な雰囲気で色も白っぽく、形は白菜をぎゅーっと小型化したように葉が閉じて玉状に巻いていて、食べるとほろ苦く、ちと高級感のある野菜。おととしのまだ寒さの残る春先、スーパーの片隅でひっそり営業しているような園芸店で、ハーブの苗が何種類か売られていました。よくある、黒いビニールポットに入って売られている苗です。そのなかに、こいつ(チコリの苗)を見つけたのでした。

 こいつ呼ばわりしてスミマセン。苗状態のこいつを買ったとき、黒いビニールポットに刺さっていた、育て方なんかを簡単に書いた札には、「古代ギリシャの花」というタイトルが付けられておりました。古代ギリシャとか古代ローマとか聞くだけで、「ほほう。」と意味なく感心するフシのある私は、「その古代ギリシャの花とやらを、わが家に咲かせてみせようぞ。」と単純にも考えたわけです。

 で植えてすぐ一年目の去年は、そんなに大きくもならず、楽しみにしていた花が咲くこともなく終わりました。ま、元は100円で買った苗ですし、別に失敗だったら失敗でぜんぜんいいや、と思っていた今年の春以降。

 た、た、大変なことになっております。っていうか、これはあきらかに失敗でありましょう。


     

 トホホ・・・100円をあなどることなかれ。暖かい季節を迎えた途端、ぐんぐんぐんぐん背丈は伸び続け、2メートルは優に越し、支柱を立ててみたものの、何の役にも立っておらず、放っておいたらアーチ状に・・・はっきり言ってこいつ一本のお蔭で、わが家、ものすごく見栄えの悪い庭になっております。

 ちなみに最初の姿がどんなふうだったかお見せするならば・・・

      

 このワサッと開いている状態よりも、小さかったのですよ!それがこんなにも伸びてしまってっ!
 ていうか、このチビも、何でこんなところに出てきているのかが、まったくわからないわけです!私、一本しか植えてないのですからっ!ひょっとして、地下茎で増えるタイプであったりしますか?それならばなんと恐ろしいことっ!際限なく増えていくのではありませんかっ?!(でもまだあの巨大化したチコリがこのチビみたいに可愛げがあったころは、葉っぱを刻んでサラダ菜と混ぜてみたりしたこともあった。が、今では食べる気も起きぬっ!!!)

 この巨大チコリを見て、庭師であるお隣のご主人が、「ボク、こういう仕事していながらなんですけど、ときどき、植物が気持ち悪いと思うときがあるんすわ。仕事先で、すごい繁殖したツタとか見ると、人類が滅んだあとも、こいつらはずーっと生き延びて、そのうち世界征服するんじゃないかと思って。」とおっしゃいました。このチコリも、まさにその、世界征服目指す系だと思われての発言だったと思います。(しかも自分ちのすぐ隣に植わってあるなんて・・・スンマセン。)

 一方(というか、これもヤツの一部であるけれども!)、楽しみにしていた古代ギリシャの花とやらは、涼やかなブルーパープルで、好きだったんですけどね。でもこの子、朝開いて、お昼を過ぎると枯れてしまいます。すごくはかない命なんです。

     

 この花が終わって少し涼しくなったら、こいつをどうやって絶滅させたら良いか、本気で考えたいと思いますっ!