メルヘン旅的合宿日記 in 掛川

 久しぶりの更新となってしまいました・・・

 10月2日3日と一泊で、静岡の掛川にあるヤマハつま恋リゾートへ、メルヘンメンバーと行ってきました。その記事を載せなきゃ、と気になりながら、掛川から帰ってからの一週間は、なぜか一日おきにコンサートに出かけていました。こういうのって偏るもんですよね、けっして「芸術の秋」とか、そんなカッコいいもんじゃありません。近年、基本的に私は、コンサートなど聴きには出かけないのです。理由は疲れちゃうから。夕方までレッスンして、そのあと夜、電車に乗って出かけるのはしんどいし、自分のごはんの時間はずれちゃうし、夫の食事の用意はしておかなければならないし、そしてそこまでして出かけたところで、「ああ、聴けて良かったなあ。」と思えるコンサートはなかなかないので。(あ、でも先日のピアノの先生のリサイタルは素晴らしかった!もうその人の人生全部が音にこめられたみたいな、うつくしすぎる気迫を感じるピアノだった!)もうこの年になると、規則正しく整えられた自分の生活リズムが狂うのがイヤなんです。で、がんばって演奏会に出かけて、寝る時間まで遅くなって、翌日に疲れを持越しちゃった日にゃあ、ほんとに損したなあ、という気分にまでなっちゃう、そんな自分もイヤなんです。

 というおばちゃんのボヤキはここまでとして。メルヘンつま恋編。

 この一泊旅行は、ある目的があっての合宿のようなものでしたが、その目的にはまだまだほど遠いことが解ったゆえ、何のための集まりであったかは、まだ内緒にさせてください。そのうち発表できる日が来るのか、はたまたお蔵入りっていうか、迷宮入り(?)になってしまうのか・・・

      

 つま恋リゾート、敷地も広く、立派な施設です。私たちは利用しませんでしたが、何やらいろんなスポーツとか乗馬とか、体験できるようですよ。音楽用のホールや練習室も完備され、そちらは利用しました。きれいな私立の音大の練習室みたいな部屋でした。

 正直、こういった宿でのお食事は期待していなかったのですが、お料理がとても良かったのです。この日は当初、夕食をバイキングでお願いしていたのですが、宿泊客が少なったのでしょうね(平日ですし。)、バイキングは用意できなくなったとかで和食に変更。手の込んだ心のこもった会席で、いただくのが気の毒になってしまったくらい。本来は追加料金が発生するはずのお料理ですが、メニュー変更の理由がそういうことでしたから、私たちはバイキングのお値段で豪華な料理を愉しめたわけです。ほんとに申し訳ない。その一部を写真で。

      
 上の写真は前菜ですが、このなかに茹で落花生というのがあって、静岡ではよく食べられるそうなのですが、私は初めてでとても美味しいものでした。枝豆より好き。

      

      
 この低温ローストしたポークというのも美味しかった。バルサミコとお醤油のソースがけ。(テーブルの上に置かれた「お品書き」をブログ用にと持ち帰ったはずなのに、どこに行ってしまったのか見つかりませんで、結局メニュー名は失念。)

 しかもこの夕食の場所、この日は貸切で、ほんとに私たち4人のためだけに用意していただいたお料理だったようです。かさねがさね、申し訳ない・・・

 翌日は、もうみなさん練習なさらないとおっしゃいますので(私は2日目の午前中も、どこかの音楽教室とか借りて練習しようかと考えてました。フフ、意外にマジメなのですよ、ワタクシ。)、気分を変えて観光へ。

 といっても掛川って観光する場所がないのですね。で、前日に一度私が「ここはどう?」と話をふって、みんなには思いっきり無視された感のあった、ヤマハ掛川工場でのグランドピアノ工場見学が再浮上し、予約して出かけることになりました。

 掛川駅から天竜浜名湖鉄道に乗り、桜木駅まで。一両で走る、のどかな電車です。四国の田舎を思い出しました。

 降り立った桜木駅が、また何とも言えず子供のころの昭和を思い起させる、ノスタルジックな田舎の風景で。わーーんっ!と思いっきり大きな声で泣きたくなるような、心のなかにある原風景なのでした。

     

     

 駅舎のなかもいい感じです。

     

 夕方までしっかり遊んで、帰りたくないのに帰らなければいけない、さびしい気持ちになりながら歩いた子供のころの景色、みたいな。

    

 電車を降りて、ぜったいこっちではないだろうよ、と思われる、駅正面とは反対側の、あぜ道みたいな道を進まないとヤマハにはたどり着けなかったのでした。旅カンの働かなければならないはずの私も、ぜったい駅正面に出るだろうよ、と決めつけていたので、進む方向とは反対側に出てしまい、しばし途方に暮れてしまいました。駅は無人駅で、駅員さんも居らず、仕方なく駅に一人いた乗客らしき人に、「ヤマハはどこですか?」と思い切って訊ねたところ、なんとその方は耳の不自由な方だった・・・という話を帰宅後、夫にしましたところ、夫はものすごくウケておりましたが、私はここであきらめず、その耳の不自由な方に、持っていたヤマハのパンフレットを見せて、「ヤマハ」と書かれた文字のところを指で押さえて、やっと質問を理解していただいたのでした。耳が不自由でも目はしっかり見えるのですから、こうやってコミュニケーション取れたこと、私は、嬉しかったですよ。

 そうこうして到着したヤマハ

    

 ハーモニープラザとよばれる場所には、いろんな楽器が展示してあり、試奏もさせてもらえます。

    

 この日のありえない。じつはこの見学に私たちが申し込んだのが前日の遅い時間で、すでに団体客の予約が入っていたので、その35名の団体客と一緒の見学でも良ければ、という条件だったのでした。はい、それで結構です、と返事して向かったのでしたが、なんとその団体客の方が急きょキャンセルになり、前日の夕食よろしく、私たち4名のみの、大名旅行みたいになってしまい、これまたヤマハの方には申し訳なかったです。(前日のつま恋リゾートもヤマハの運営ですし、ヤマハさんには大変お世話になった今回の旅でした。)

 工場の見学は撮影が禁止されていましたので、写真はありませんが、私たちにとっては、とても興味深い見学になりました。毎日使っているピアノのメカの部分というのを、ほとんど理解せずにいたことが、今さらながら不思議でもあり、恥ずかしくもあり。どんなに機械やコンピューターが発達しようとも、やはり人間の手や感性でモノを作り上げることは、何物にも代えがたいものだとつくづく感じました。そして日本人の勤勉さ!これがイタリアの工場だったらどうだろうか?と、ここで働く人たちの姿を、かの国の人々と比較したりなどしながら、やっぱり日本人はズゴイ!エライ!!と、あらためて感心いたしました。(こういうときの自分は、結構怠け者のイタリア人寄り。)

 と、メルヘンの旅の話はここまでで、最初のコンサートの話に戻れば・・・

 しかしながらコンサートに出かければ良いこともあるわけで。というのは、出かけたコンサートすべてで、昔の友人、知人に再会できたのです。それも、東京に嫁いで疎遠になってしまっていた学生時代の先輩、20年くらいむかーし、伴奏をしてもらっていたピアニストの方など。ふっと目があった瞬間、そんなン十年単位の時間の隔たりなんかはびゅーーーーんと飛び越えて、人目をはばからず、がっしり抱き合ったりしてしまいましたから。「ああ、コンサートに来て良かったな。」と、思わぬ「コンサートの効用」を発見できたのでした。

 そんなわけで、おばちゃんになるとコンサートに出かけてみるのも良いかもね。