トリエステの路上観察

 いや、観察じゃないな。バスに乗っていたら、目に飛び込んできただけなので。ミラマーレ城に行く途中、駅の近くを通りかかったときだったと思う。

     

 ともかくみなさんが見たいと思うもの、行きたいと思う場所はすべてあっちにあります、という標識。親切なのか、いい加減なのか・・・どっちだっ?!

 こんなふうに、一見「ムダ!」と私には思えることを、ひとつひとつ丁寧(?)にやるのが苦にならない、っていうか、何の疑問も持たずにやる、という不思議なコツコツ精神みたいなものを、イタリア人は持っている、と私は思っている。

 いつぞや、どこぞの店で、一枚1ユーロのお皿を8枚欲しいと言ってきた客の前で、おもむろに計算機を取り出し、「えっと・・・1×8は・・・」と、大真面目に電卓を打った店員も、この全部同じ方向を指し示す標識タイプの人であったろう。

 しかし、いつもせかせかしてばかりいる日本人には、こういう非効率なことが、じつはけっこう大事かもね。