帰国しました。

     

 ローマのフィウミチーノ空港を離陸した直後、眼下に広がるオスティアの海。ああ、帰りたくないなあ、と未練たらたらでシャッターを切りました。

 いきなり旅の愚痴で恐縮だけど、帰途、ローマの空港のフィンエアーのカウンターに着いたとたん、「うへ〜・・・」っとなった。名古屋からの団体のツアー客がいっぱいいて、もうそこはすでに日本、いや、名古屋だったから。

 バッグからおもむろに携帯を取り出し、「あ、もしもし?私。うん、今、コウクウに着いたとこ。あとは飛行機乗るだけやで。」と、名古屋弁で日本の家族に電話をかけるおばさん。コウクウではなく、空港の間違いである。

 ご無沙汰いたしております。数日前に、無事帰国いたしました。日本は残暑がもっと厳しいはず、と覚悟しておりましたが、案外もう秋の空気でした。

 旅は思った以上に良かったのでした。ローマもナポリも、もう何度も行ったことのある場所だったので、そうたいして盛り上がらないかなと思っていたのですが、全然そんなことなかった。時間ももちろん全然足りませんでしたし、これはぜひとも再訪しなければ、と。

     

 ローマは9月になると、ホテル代が跳ね上がるので(!)、今回は8月いっぱいをローマで過ごす旅程を組みました。テルミニ駅近辺に泊まるときは、いつも東側で宿を取っていたのですが、今回は西側。いっろんな国籍の、「お前、滞在許可はおろか、パスポートすら持ってないだろっ!」風な人種がわんさと居る、それはそれは一種異様な雰囲気の恐ろしい界隈・・・というイメージを持っていましたが、数年ぶりに行ってみると、結構きれいになっていましたね。昔はもっとひどかった。あれくらいの治安なら、私は全然大丈夫。写真の3ツ星ホテルは、朝食付きツインが70ユーロを切るお値段でしたから、ローマの宿としては上出来でしょう。(さすがに9月の帰国前にもう一度滞在したときは、40ユーロも値上がりしていましたが。)

 ベッドの茶色い布のかけ方が、毎日意味もなく変わるのですよ。この日はパピヨン風ですね。で、圧倒的に枕の数が多くて、ただでさえ狭い部屋なのに邪魔で邪魔で仕方がないので、これも茶色の、ベッドの上に見えているクッションは、毎日クローゼットに私が仕舞い込むんですけど、部屋に掃除が入るたびに、ぜったいおばさんはそれをクローゼットからわざわざ出して、このようにベッドに並べていくのです。だからやっぱり邪魔くさいと思う私は、クローゼットに仕舞ってみるのだけれど、翌日、おばさんは負けずにまた出して並べて帰ります。根競べの毎日でした。

     

 旅のあいだずっと、腰痛がひどくてですね、最初の頃は、もう旅をつづけられないのではないかと思ったほどだったのですが、なんと!この旅の発見!!!

 あのね、私の腰痛には、水泳が非常にいいみたい。で最後の日は、もう自分はローマですることも、見るものもないな、みたいな悟りの境地に至り、オスティアの海まで出かけてみました。

 ヴァカンス時期を過ぎた9月の海、のんびりしていていいものですよ。

 いろいろ書きたいことがありますが、また追々。