バーニョ・ヴィニョーニ再訪 3

 しつこく続くバーニョ・ヴィニョーニ編。たぶん今日でおしまいにします。(すみませんがお付き合いください。)

 バーニョ・ヴィニョーニで小さな遠足を決行いたしまして、今日はそのお話。

 初めてバーニョ・ヴィニョーニを訪れたときに、「次に来るときにはぜったいあそこに行こう!」と心に誓った場所がありました。

 まずは、これも毎度同じような写真で申し訳ないのですが、バーニョ・ヴィニョーニの村の浴槽広場。↓

    
   


 この古代ローマ時代の浴槽に湧く、湯量豊富な温泉水は、中世に造られたという水路を通って、近くの公園の中までずーっと流れて行っています。↓(お湯の温度を下げるために、このように水路を作り、流したようです。)
    
   

 写真には写っていませんが、この水路では足湯をしている人もいたりして、みなさんのんびりとしていて、ほほえましい光景が見られる場所でもあるのです。

 そして、この水路の先をさらにたどって行くと・・・
   
   

 写真の先は崖になっていて、崖の上から温泉のお湯が流れ落ちており、さらに下へ流れ落ちるお湯の行方が気になるので覗き込むと、

   
   

 上の写真、ズームで撮っているので、本当は肉眼ではもっと小さくしか見えないのですが、ずっと下に流れ落ちたお湯でできた天然温泉か、川湯のように見える場所があります。

 「あそこに行きたい!でも行き方がわからない!」で終わった前回。二度目のこの旅では、ぜひあそこまで足をのばすと決めていました。

 行き方は相変わらずわからないので、宿のお兄さんに訊ねたところ、「すぐそこの(足湯のある)公園にベンチがあるから、そのすぐ後ろの階段を下りて行けば着くよ。」とのこと。

 あのさ、公園にベンチって・・・フツーにあるよね・・・そんなざっくりとした説明で行けるんかい・・・

 かくして不安でいっぱいではありましたが、水路のある公園に行き、ベンチももちろんいくつかあったにはあったのですが、その中のベンチのひとつの近くに階段発見!これに間違いないっ!(あんなテキトーな説明でわかるなんて、私も相当ざっくりな人。)

 階段を駆け下り、山道を進みます。雑草や、名前も知らない素朴な花が咲く自然の野山を、子供のころに戻った気分で!
    
    

 途中、上を見上げると、滝のように落ちるさっきの崖が見えます。
    
    

 流れ落ちたお湯は、さらに山の斜面を滑るように流れて行きます。温泉も見えてきた!もうすぐ!!

    
   


 公園から10分も歩かないくらいかなあ。意外と簡単にたどり着けました(笑)       
    

 水の色が白く濁ったブルーで、とてもきれい。

 反対方向から。↓
     
    

 ここ、わりと次々と見学される方が訪れるのです。みなさん温泉には入れなくても、しばし自然のなかに造られた温泉の水の色を愉しんだり、写真におさめたりしていました。

 やっと念願の場所に来れて大満足の私でありましたが、一方でこのとき私の抱いていたおおいなる疑問。私が崖の上の公園から、ずっと下ってこの温泉にたどり着いたのに、他の見学者の方々は皆、下の方向から、この山のなかの温泉へ登ってたどり着いていたこと。・・・なぜだっ?!
しかし来た道しかわからないし不安なので、帰りも私一人、山道を登って帰りました・・・(みんな、いったいどこから来たんだ?)

 どうやらこの温泉は、夏の昼間くらいしか入ることができないくらい水温は低いそうで、雰囲気的にもちょっと入るのに勇気が要りそうでしたが、チャレンジしたい方にはぜひトライしていただきたいと思います。

 旅のちょっとした目標というのでしょうか、自分にしか価値はわからないのかもしれないけれど、でもそんな何か小さな愉しみを設定して出かけるオリジナリティーのある旅をしたいと、いつも思います。