馬篭・妻籠 秋旅

 秋旅と題しておきながら・・・
 すっかり冬になってしまいました。私ははやばやとどこで拾ったのか風邪をひき、久しぶりに高熱も出たので自分の身体はまだまだ体力もありひょっとしたら若いのではないか?という気がして、心ひそかに喜んだりもしましたが、その後いっこうに風邪は抜けず、体調も気分もさっぱりで、やはり老体であると認めないわけにはいきません・・・

 すでにひと月も経ってしまいましたが、先月末、中山道馬篭妻籠宿へ。まだその頃は寒さも到来しておらず、秋の旅行には季節も良いと思われたし、紅葉も見れるかも、と。昨年の暮れに北国街道の木之本宿へ行ったとき、江戸時代をおもわせる古い町並みを歩き、なんともいえないほっこりとした日本的な風情のようなものに魅せられ、その後宿場町を訪ね歩いてみたいなあという思いがありました。

 めずらしく車で出かけることとなり、イタリアへの旅行以外はほとんどどこへも出かけることがない私たち夫婦。荷作りもあっという間に終わり、小さなバッグを車にひょいっとのせたら準備完了!という手軽さに、「これだけで本当に大丈夫なのだろうか?」とかえって不安な気持ちになったり・・・ぎこちない出発であります。あまりの出不精さゆえ、家からわりと近いところに高速のインターが出来ていたことすら知らなかったのですが、ともかくそのインターから高速に乗り、一路走れば第一目標の馬篭宿は思ったよりもずっと近かったのでした。とは言えカーナビが古いので途中怪しくなり、なのでアナログに私が助手席で地図を広げてみたり、しかしそれだけでは不安なのでスマホのナビも同時に使ったりなどして、どうにか到着。
    
   

 馬篭は坂が多い宿場町。駐車場に車をとめ、行きは坂を下りつつ、両脇のお店をのぞきながらの楽しい散策。いったんお店をさらーっと見てから、お土産買うのは戻るときにしようね、と。が、引き返した帰り道では息があがり、坂道を登ることのみに集中してしまい、購買意欲は消え失せました。ここ馬篭宿は夫に言わせば「モンテプルチャーノ並みの坂道」で、ご年配の方には少々大変かもしれません。
    
    

 観光地だからなのかもしれませんが、玄関先など、どのお宅も花を植えたり飾ったりとても綺麗にされており、ここに住む方のもてなしの気持ちが感じられ、心を打たれます。それを見れば「帰ったらうちの庭も和風にする!」と、旅先の風景にすぐに感化され、私が無謀な決意表明をするのはいつものこと。(帰ってきたらそんなことはすっかり忘れてしまっています!)

 歩いていると、いつも水の流れる音を感じます。道の脇の水路にはかなりの水量で水が流れており、こんな場所もあったり↓
    
  

 お天気もよく、遠くの山も見渡せて気持ちのよい散策日和でした。    
    

    
    

 お蕎麦に五平餅など、地のもののランチ。食べ物はどこも同じようなメニューを出すお店ばかりで、これは妻籠に行ってもそうであって、もう少し違う物も食べたいなあ、と思ったのが正直なところ。お昼どき、坂を下りきったところのスーパーのベンチに腰かけた外国人(欧米人)の方が、シナモンロールをほおばっておられた。ここの食べ物の選択肢ならシナモンロールのランチはぜったいにアリだ!と私は思いました。夫も、「外国を旅していてもブレずにいつもの(かどうかは知らないけれど)シナモンロール、っていうのがなんかいいよね。」と。

 馬篭をあとにし、車で20分ほどだったでしょうか、つづいて妻籠宿へ。

    

妻籠の方が坂が少ないし、道幅の狭かった馬篭宿と比べてどこか開放的な雰囲気で、私はこちらの方が好きかな・・・

    
    
 木を使ったお土産物などたくさんあり、あちこちのぞいているうちに私はなぜか竹ぼうきを買ってしまう。(旅後、やはり使用せず・・・)
    
    

 上の写真中央の壁にかけてあるしょいこ、あれもすっごく欲しかったけど、さすがにこれは買わなかった。(お買いものに行くときに使おうか?と一瞬血迷ったのでした。)

 栗きんとんや栗まんじゅうの看板ばかりを見かけるなか、夫が「俺、なんかモンブランが食べたい。」と言い出し・・・

    
   

もちろんそれはかなわず、栗入りぜんざいとクリームあんみつで休憩。

   
   

 水車のあるあたりから来た道を引き返しました。

   
    
 里の秋、といった風情・・・

 下の写真のあたりは、時代劇のセットみたい↓
    
    

 お天気に恵まれたこともあって、とても思い出に残る小旅行となりました。本当はこの休暇では東北を旅するつもりでしたが、なんと予定していた日すべてが東北地方では雨の予報で、出発間際にキャンセル。飛行機のキャンセル料もかかってしまいましたが、雨の奥入瀬渓流散策も十和田湖も、旅気分が盛り下がることは目に見えていましたから、思い切って行き先を大幅変更したことは良かったと思っています。

 それにしても夫と近場の旅行ってあまり出かけたことがなかったのですが、こんなにお手軽に気分転換がはかれるなんて、しかもお財布にもやさしいし(←この段階では、手痛い飛行機のキャンセル料を払わされたことはいったん棚にあげます。)と二人であれこれと小旅行のメリットを発見し、これからはときどきこんな旅もいいかもね、と楽しみが増えたことでした。

 追記:この旅日記を書いてからすっかり寒くなってしまい、今では風邪もぜんぜん治らないし、旅行に出るなんて、たとえ近くであってもぜったいにイヤだよ、という気分。早く元気になって、また旅の計画したいなあ・・・