ローマの食堂

 久々にイタリアの話題を。
 イタリアに行くときはだいたいローマから入ります。空港からテルミニまで電車で移動し、その日はそのままテルミニ駅近くのホテルに宿泊することがほとんどです。それもいつも駅の東側。西側にもたくさん安いホテルがありますが、東側のほうが少しは治安も怖さもマシな気が、個人的にはしています。なので私のローマはテルミニの東側から広がっている、へんてこなローマです。そんなにお店が充実しているとは思いませんが、食事も買い物も、この辺で済ませることが多い。そんなローマ滞在中に、私たちが見つけたお気に入りのお店をご紹介したいと思います。
 La Reatina ラ・レアティーナ。全然ステキでもおしゃれでもない、食堂です。ただシンプルに、ごはんを食べるとこ。初めて店の前を通ったとき、ビビビッときました。予感的中でした。




写真上から、ミネストローネ、お次はStracciatelle  ストラッチャテッレというローマ風かきたま汁。機内食でわけが分からなくなった胃袋を癒すのに、到着した日の夜はここのスープをいただきます。3つめは、これもローマ名物Saltin bocca alla Romana サルティン・ボッカ。最後はタラのトマト煮。名前は分からないんですが、干しダラを塩抜きして、トマトソースで煮込んだものだと思います。絶品でした。
 ほかにもいろいろ食べました。カルボナーラなんて感激しました。今までの人生で一番美味しいカルボナーラでした。ただのトマトソースのスパゲッティだって涙ものでしたよ。
 どれも家庭的な味で、スープもちゃんと野菜やお肉や骨から採った、本物のブロードの味で身体にも心にもしみわたります。やさしい味の料理はやさしくやわらかい味、旨い料理はガツンと旨い。ハズレがありません。ごまかしもない。
 お店のおじさんは結構無愛想で、おべんちゃらなんか言いません。それも私は美味しさの秘密だと思っている。

あとこの店はなぜか一人でやってくるお客が多い。どことなく一人暮らし風の老人。プリモもセコンドも食べ終わったのに、「いつものやつ。」とまだ何か注文しています。「まだ食べる気か?何がくるんだろう・・・」と、チラチラ見ていると、彼のところに運ばれてきたのは、なんと目玉焼き!もちろんメニューにはないと思います。半熟の卵黄ソースをパンにつけて、美味しそうに食べています。ほとんど「俺ん家」状態。ほかには奥さんいない感じのどこかワケアリ風中年男性や、いつもここに食べにきてるらしい健全そうな学生さん、「晩ごはんにするから包んで。」と言ってとびこんできて、焼きたてのラザーニャを買って帰る主婦ecc・・・さまざまな人間模様が垣間見られます。そんな人々を観察しながら味わうのも、私は好き。
 あとお値段もすんごく安いです。私たちは世界一の食堂と呼んでます!
住所は、Via San Martino della Battaglia 17
土曜日がお休みで、あとの日は昼夜やってます。テルミニから歩いても、6、7分でしょうか。行く価値ありのお店です。
お店の前に黄色いメニューがはってあります。