豪華ヴァカンス見学


 トスカーナのイメージといえば、やはり緑色の丘がなだらかにつらなり、丘の上には糸杉がポンポンとならんだ風景、でしょうか。ともかくトスカーナと海って結びつかないと思うんですが、なかなか素敵なリゾート地があります。
 ティレニア海側、イタリア半島の長靴のヒザくらいのところにある、Monte Argentario モンテ アルジェンターリオと呼ばれる地方に、Porto Santo Stefano ポルト・サント・ステーファノという、イタリアではリゾートで有名な街があります。モンテ アルジェンターリオにはもうひとつ、ポルト・エルコレという街もありますが、こちらはまだ行ったことがありません。
 夏には、おそらく主にローマからのヴァカンス客で賑わうこの街は、じつは、お金持ちの方々がこぞってやってくるリゾート地の一面も持っています。そのリッチ度たるや、どれくらいのものか。
  
 街の港に停泊する、自家用クルーザー。それもひとつやふたつじゃありません。ズラリです!
  
優雅族の方々は、こうしたものでご上陸されるようです。停泊料だけでおそらく一日何万円、いや、ひょっとしたら何十万かもしれません。
とくにひとつだけ、人だかりのできたクルーザーがあり、たぶん有名人がいると思ったので、ミーハーにシャッター切ったものの、誰やらわかりません。
  
白いシャツを着た人たちは、カメリエーレという呼び方でいいのでしょうか?つまり、みなさん召使いです。到着したので、この後は船のお掃除が待っています。それだけではありません。ご主人様が連れてこられたクッチョロ(ワン)たちも、長い船旅で疲れているでしょうから、お散歩されてリフレッシュ。しかしパグが5匹って・・・ちょっと多い。ご苦労様です。

 で、ご主人様の方はどうするのかな、と思ってたら、船着場から陸に上がったすぐのところに、フェラーリが・・・

私、車のことは全然わかりません。(色くらいはわかります。)でもこのフェラーリ、後ろのところが透明で、中のエンジンが見えるようになっていて、(写真ではよく見えないかもしれませんが。)たぶん珍しいやつなんじゃないかな、と思いました。これに乗って、別荘に向かうのか、はたまたゴージャスホテルにご滞在か・・・
 こんなところに行って、cuccioloさんち、いったいどこに泊まったのか心配ですよね。じつはこの海の近くに別荘を持っていて、というのはウソで、この街ではおそらくただ一軒の、一つ星ペンシオーネ(日本でいうと民宿にちかいでしょうか。大体は家族経営の、ほんとに簡単で、でもこころあたたまる宿泊施設。いいですよ。)に泊まりました。予約を入れるときに、海が見える部屋を、とリクエストしておいたから、安宿とはいえ、じゃーん、ちゃんとオーシャンビューです。

 庶民と金持ちとの住み分けが自然とできた国、それがイタリアです。だから心配しないで、行ってください。どこかの国のように、勝ち組だとか負け組だとか、そんな風に考えることもまったくない。気おくれしたり、引け目を感じることもありません。海は同じ海だし、お金かけなくても美味しいものは、イタリアにはたくさんあるし、ゴージャスだろうが安宿だろうが、寝るときは目をつむるんだからどこでも同じです。といつも私は思っていて、プアーヴァカンス(極貧休暇)を楽しむために出かけます。
 海にいた3羽の鳥。名前は左奥から、ポルとサンとステーファノ。