グレーヴェ・イン・キアンティ 2

 ワインが美味しい土地は、必然と美食の街でもありますので。たとえ私のような下戸が訪れたとしても、それなりに愉しめるわけです(笑)そりゃあ、お酒がたしなめれば、ぜったいにそのほうが幸せだと思ってる。人生が変わるだろうな、と。

 そしてわが家の旅は、初めて訪れる街で、味も、雰囲気も、サービスも気に入って(もちろん、お値段もやさしくて!)、居心地がよくて、まるで自分の家みたいに、滞在中、何度も通える店が見つけられるかどうかが、とても重要なのです。のちのち、旅を思い出すとき、その街の印象そのものにも関わるくらい、大事なことだから。グレーヴェではめでたく、そういったお店にめぐり合うことができました。
 街の中心の、マッテオッティ広場にある、IL Portico イル・ポルティコというリストランテ。着いた日の昼、夜、あくる日の夜、と、2日間で(正確には1日半の間に!)3度通いました!
 
    
 トスカーナに来ると、まず食事の初めには、写真のような、サラーメやハムなどの盛り合わせをアンティパストとしていただきながら、ワインをちびちび・・・私の場合、なめる(笑)ことが多いかな。写真の左手前にある、半円形に折りたたんだ格好のサラーメ、これはフィノッキオーナというこの地方特産のもの。フィノッキオ、つまりフェンネルのたぶん種だと思うんだけど、が入っていて、サラーメの旨みのあとに、さわやかさが口に広がるような、初めての美味しさ。とっても気に入りました。

      
 ワインはやっぱり、ここに来たならキアンティを。正直、夫も私も、日本で飲むキアンティワインはあまり美味しいと思っていません。日本人が、なぜあんなにキアンティ好きなのか、よくわからない。でもワインのできるその土地で、その土地の料理と一緒にいただいたら、どうしてあんなに美味しいのでしょう?空気のせい?上の写真のViticcio という銘柄のキアンティ・クラッシコは、ここのお店のワインリストのなかではおそらく一番お安いワインだったと思うけど、とても美味しかった。ボトルの口の部分に、ちゃんとガッロ・ネーロのラベルが。夜、もう少しお高めの別のキアンティ・クラッシコを頼んだけれど、私たちは、このViticcio のほうが好みでした。貧乏症にできてるのかねえ。

    
 上の写真は、いろんなお野菜をオーブンで焼いたものなのだけど、これ、トマトの入ってないカポナータ、という感じ。イタリアの野菜の味の濃厚さが堪能できました。

    
 つづいて、これも私はよく注文してしまう、ポルチーニのパスタ。パスタはタリアテッレでした。

    
 夫が注文した、子牛肉のタリアータには、お昼にいただいた野菜のオーブン焼きがのっかっていて、お肉と一緒にあわせていただくと、さらにうまうま。

    
 写真に撮ると、シラーっとしてしまいそうだけれども、何ともいえない贅沢な香りの、トリュフのパスタも、必ずどこかでいただかなくては、ね。美味しさって、舌で味わう味覚ではなくて、じつは香りですよね。トリュフをいただくと、いつもそう思います。

      
 お世話になった、Il Portico 間違いなく美味しくて、お勧めできるリストランテです。

 イル・ポルティコの何軒か隣りに、名前を忘れちゃったけれど、けっこう有名な食材店がありました。この地方特産の、ハムやサラーメ、チーズなどを数多く取り扱うお店で、観光客の姿も多く、気軽に入れて、試食なんかもさせてくれたりして、なかなか愉しめる食材屋さんでした。

    
下の写真は、レストランで食べてすっかり気に入ってしまったフィノッキオ入りのサラーメ、フィノッキオーナ。ここのお店でちゃんと売ってました。(で、買って帰って来てしまった・・・)ラベルに書かれている、Cinta Seneseという豚のお肉も、トスカーナ地方の有名食材ですよね。
    
最後に、天井の一部を埋め尽くし、頭の上にぶら下がっていた生ハム。すごいでしょ?