オルチャの谷の祈り 〜サンタンティモ〜

 年明けから動き出した旅の計画のなかに、モンタルチーノは当初から有力候補に挙がっており、その後、ひょんなことからグレーヴェ行きも決定したので、「今度の旅は、題して、トスカーナのワインの里をめぐり、日頃の夫の労をねぎらうツアー、かな?」と、アホなことを抜かしていたところに、あの、3月11日の大震災が起こりました。震災に加えて、原発の事故・・・とてもじゃないが、旅行どころじゃないでしょう、と、一旦はなったのだけれど、結局、出発までには、いつの間にか、旅行モードの自分に立て直してしまっていました。哀しいかな、人間って、慣れるもの、なのでしょうか?それはここのところ特に感じていることなのだけれど、毎日毎日、いくらニュースで先の見えない、悲観的な情報ばかりを耳にしても、震災直後のような、ごはんもノドを通らない、ということは全然なくなっていて、はあ、そうか、それはまた困ったな、と思いながら、ばくばくごはんを食べ、津波がすべてをかっさらっていった映像もまた、日常の一部となっていく自分に、自分自身で驚いたり、嫌気がさしたり。

 そんな私ですが、日本が今の危機を脱出するために、とにかく祈らねば!と思ったのでした。とくに出来ることがないし、他に思いつかなかったし、原発の事故なんて、もう神頼みしかないじゃん、正直、そんなふうにも見えたので。それならば、あそこしかない!そんじょそこらの(失礼。)教会なんかじゃ、この難局は越えられそうにありませんから。

 というわけで、サンタンティモ修道院(L'Abbazia di Sant'Antimo)。
モンタルチーノからは、9キロの場所にあります。ちなみにバスだと、モンタルチーノから、日に4本、バスがあり、カステル・ヌオーヴォ・デッラバーテの村で降りて、教会までは歩くことになります。でもでも、前日のグレーヴェからモンタルチーノまでのバス移動の疲れが残っていた中高年夫婦は、めずらしく、タクシーを使うことにしました。モンタルチーノのホテルから、まずはこのサンタンティモ修道院に寄ってもらい、見学のあと、バーニョ・ヴィニョーニを目指すというコース(コースったって、自分たちが勝手に組んだのですが。)で、お値段50ユーロ。(ご参考までに。)

 有名な教会だとはうろ覚えのように知ってはいましたが、行ってみてびっくり!あまりにもうつくしく、そして、想像よりも、ずっと立派だったんです!
 まずはタクシーの運転手さんが、教会が見えてきたところで一旦、車を止めてくれました。
      
 こんなすばらしいロケーションのなかにある教会だったなんて!すでにここで大興奮!!!

 ロマニコの、清楚な雰囲気の教会。もっと楚々とした感じかと思っていたのですが、遠くから見ても堂々たる風格です。 

      

 スミマセン、本日、ここでタイムオーバー。つづきはまた、ゆっくりと書かせていただきます。