バーニョ・ヴィニョーニ 1

 今日も旅ブログのつづきを。

 サンタンティモ修道院をあとにして、次に向かったのは、バーニョ・ヴィニョーニという温泉の町。なんとイタリアで、初の温泉体験でした。

 トスカーナに点在している温泉のいくつかは、アミアータ山という、火山の恩恵によるもの。アミアータとは、ラテン語のなんとかしらんという水源を意味する言葉(知らんのなら書かんといてください。)から来ているそうで、アミアータ山の豊富な地下水が、火山の地熱で温められて、温泉となって湧いているのだそうです。

 ずーっと行ってみたかったバーニョ・ヴィニョーニ。どうしてこんなにも長いこと来れなかったかというと、不便な場所であるため。シエナから、日に何便かバスがあるはず。他の場所からもバスを乗り継ぎ乗り継ぎしたら、来れないことはないかもしれないけれど、かなり現実的ではないと思われる。私たちは、この前にも書いたとおり、モンタルチーノからタクシーを使い、最初にサンタンティモ修道院に寄ってもらって見学、その間タクシーの運ちゃんに待ってもらっていて、その後バーニョ・ヴィニョーニへ。ちなみにお値段、50ユーロでした。

 街の中心というか、この広場が本当にこの街のすべて、と言っていいと思います。

     
     

 大きなプールみたいなのは、古代ローマ時代の浴槽です。巨大浴槽を囲む広場、これがこの町唯一の見どころ。以上!です、簡潔です。このプールのお湯、ちゃんとここで湧き出したものです。昔はここで入浴していたらしいのですが、今は入れません。問題は衛生面なのかな?掃除すればいいのにね、って私は思ったのだけれど、そんなに簡単ではないのかな?ここに入れたら、めちゃめちゃ愉しくないですか?

 浴槽のなかに、ぽこぽことお湯が湧き出ている場所が確認できます。写真だと、どこかわかりづらいかな?2枚目の写真のほうがわかるかな、左下あたりね。ここに湧き出るお湯の温度、なんと52度。アミアータに畏敬の念を抱かずにはいられません。(52度やと、たしかに熱すぎて入れんね。昔はぬるかった?)
     

 では、温泉広場の周辺、プールサイドならぬ、温泉サイドをぐるりと。

     
     

 この屋根のついた部分は、なんだったのかわからないけれど、雨よけとか?かつての脱衣所?ははは、そんなことはないか。

     
     

 温泉の一角に茂る緑が気になる。行ってみると、そこにはガブリエッレさんの庭、という表札がついていた。手入れがゆきとどいているのに、ほどよく自然でエレガント。すっごくステキなお庭です。こんな庭、ほしーーっ!憧れます。
     
     

 そして、温泉に面した、比較的大きめの建物。
     
ここ、じつは由緒ある建物なんですが、今は、Hotel Le Terme ホテル「レ・テルメ」という、温泉設備を持つホテルとなっています。今回バーニョ・ヴィニョーニ行きが実現したのはまったくの偶然から。これまで、いくらバーニョ・ヴィニョーニに行きたい、せっかく近くまで行くのに、と夫を誘っても、交通手段がないでしょ、の一点張りで、一蹴されていたのに、出発のほんの数日前、ネットをうろうろしていた夫が、偶然、このホテルを発見。ここに一泊して、温泉体験もしたい!となったわけです。急遽、予定を大幅変更。(最近、うちの旅行は、出発間際のキャンセル、変更が毎回のようになってきました。)
このホテルでの滞在については、また次回に。

 街のなかは、お土産物屋さんもほんの2、3軒。ほんとにあっという間に、街の散策は終了します。
 なかでも、色あざやかで、ぽってりとした陶器がならぶお土産屋さんが目にとまり、入ってみました。
     

 お店のおじさんもおばさんも、とても気さくでいい人。次から次へと、説明してくれながら、品物を紹介してくれます。いろいろ素敵な陶器があったんだけど、そうして私はこの手のものにすごく弱いので、ぜったい買っちゃうのはわかってたんだけど、せっかく念願のバーニョ・ヴィニョーニに来たんだもの、この土地の図柄だったり、名前だったりが入ったものが欲しくてね。そう言うと、おじさんもおばさんも、「ああ!バーニョ・ヴィニョーニのものがほしいのね!」とさらに大張り切りで、あらゆるバーニョ・ヴィニョーニ柄の品が、目の前にずらり。か、か、買いますとも、もちろん・・・喜んで・・・

 結局、荷物になるから、という理由で、選んだのは一番小さい、鍵を引っ掛ける陶器で出来たフック、バーニョ・ヴィニョーニの温泉広場の絵入り。そんなものでも、私の買い物におじさんもおばさんも満足気でありました。
どこから来たのか?という問いに、日本から、と答えると、急にしんみりした顔になったおじさんとおばさん。地震は大丈夫だったのか?というので、私たちの住んでいるところは遠かったから、と。あの津波が、本当に何もかも持っていってしまったね、映像をテレビで見て、本当に、胸が痛んだよ、と、心からのお見舞いの言葉を向けてくれたおじさん。
 
 最後に。温泉に来たなら、どうしても湯煙の立つ、バーニョ・ヴィニョーニを撮りたかったのだけれど、1日目は到着したときすでに、気温が高く、湯煙は見られず。翌日、朝早くなら、と思いつき、ホテルから出てみると、やっぱり!