バーニョ・ヴィニョーニ 2

 
 バーニョ・ヴィニョーニでの温泉体験♪

 旅の出発直前、夫が偶然ネット上で行き当たった、Hotel Le Terme ホテル レ・テルメ。テルメは温泉のことです。


     

 今はホテルとなっているこの建物、もとは1400年代に、ときの法王ピオ2世の夏の保養所として、建築家ベルナルド・ロッセッリーノが設計したものだそう。ピオ2世とロッセッリーノといえば、オルチャの谷をのぞむ世界遺産の街ピエンツァを作り上げた、あの二人ではありませんか!そんなエライ人のお邸だった由緒正しい建物に、こんな私が泊まらせてもらえるうえに、温泉にまで入れるなんて!「ネットで出会ったのも何かのご縁、スケさん、カクさん、ここはひとつ、一晩ご厄介になるといたしましょう。」(←もちろん水戸黄門風に!さあ、声に出して!!どぞー!!!)となったわけです。

 ホテル レ・テルメの温泉は、治療目的の療養所、というタイプではなく、どちらかといえば、日常生活をはなれて、のんびり優雅にリラックスが目的、といった雰囲気。こんなところに滞在するのは初めてのことなので、いったいどのようにしたらいいのか・・・なんだか気おくれしてしまいます。フロントで、「あの、初めてなので、わからないんですが・・・着替えは、部屋でしてから温泉のある階に行くんですか?じゃあバスローブをはおったまま、エレベーターに乗っていいんですか?えっと、それから・・・」と、あんたは小学生か!みたいな質問を山ほどしてしまいました。各部屋には、日本でいうエコバッグみたいな、大きな布製のバッグがクローゼットにセットしてあって、そのバッグには、温泉で使うバスタオル、バスローブ、ビーチサンダル、頭にかぶるキャップなどが用意されていました。水着だけ持ってくれば、あとは大丈夫。


      
 温泉というよりも、一見すればプールといった雰囲気。温泉も西洋だとこうなるのかあ・・・


      
      

 温泉の浴槽はふたつあって、無色透明のものと、ちょっと黄色がかった水の色のものと。黄色いほうは、MAX 15分と書かれてあって、一回につき15分までなのか、何回かに分けて入っても合計で15分以内なのか、わからなかったのですが、そのうちどうでもよくなり、じゃんじゃん入りまくっていたので15分は優に超えて入浴していたと思いますが、私は特に、何も身体の変化など感じませんでした。
お湯の温度は32度と、ぬるめ、というより、最初は少し寒いかな?と感じる温度。だけどつかっているうちに、その低めの水温が心地よく感じてきました。ジャグジーの泡がぶくぶくしていたのに突然止まり、「あれ?」という顔をしていたら、同じく温泉に入っていたおじさんが、温泉の中にあるボタンを押せ、と。するとまた、ぶくぶく、ぶくぶく・・・なるほど。


     

 浴槽の周りは、エレガントなホテルのプールサイド、といった感じで、のんびり寝れる寝椅子が置かれてあります。温泉から上がって、バスローブを羽織って、ここでうとうと・・・「ストレスってなに?」って、マジで思った。


     

 そのプールサイド、いや温泉サイドには、のどが乾いてもいいように、いろんなハーブがブレンドされたハーブティーまでが用意されています。まさに至れりつくせり。極上のリラックスですね。


     

 私が一番気に入ったのは、この浴槽とはべつにある、蒸気のたちこめたなかに入る、ローマン・バス。
ちょっと怪しい色のネオンが余計な気もしましたが・・・これがすっごく気持ちよかったー!ローマ時代のお風呂にこういうのがあったんですよね、たしか。温泉の蒸気で満たされた空間は、サウナとは違ってぜんぜん苦しくなく、日本でときどき聞くミストサウナというのに近いのかな?でも湯気の量っていうんでしょうか、がハンパじゃなくて、入った途端、身体全体が水蒸気でつつまれ、呼吸が苦しいどころか、肺の中まで温泉成分が入っていくような感じで、ものすごいパワーが身体のなかに取り込まれていくような感覚。(この夏、体調のよくない私は、こうして思い出して書きながら、今こそあの蒸気につつまれたら元気になれそうな気がしています。)

 あ、飲む温泉もありました、プールサイドに。飲んでみたい気もしましたが、お腹がすこぶる弱い私はやめておきました、念のため。旅行中、ぴーどーっ!!!となってはいかんのでね。
            

 温泉の入浴以外にも、ボディトリートメント、エステなど、温泉成分配合?のオリジナル化粧品を使ったメニューなんかもいろいろありました。真のマダムに成れたあかつきには、体験したいと思います。