食の街 ボローニャ

       


 せっかくイタリアにまで行って、リフレッシュされたきた私は、いまいずこ・・・帰るやいなや、すっかり日常のゴタゴタに埋もれています・・・


 アドリア海へ抜けるのに、今回は飛行機をどこまでにしたらいいのか、ちと迷いました。ローマからもミラノからも遠いし、フィレンツェも違う。それなら当然、アドリア海に面したヴェネツィアが起点でしょう、とおっしゃる向きもあるかもしれませんが、宿泊費がべらぼうに高いヴェネツィアに、何泊もする考えは最初から持ってなく。(っていうか、ムリ。)

 というわけで、ボローニャ往復のチケットを買いました。そしてなんと私、今回が初ボローニャ。(意外に初心者でしょ?)

 食の街として知られるボローニャ、いろいろ食べなくちゃ!と勇んでいたけれど、胃袋がちっちゃいのね。滞在日数も二日やそこいらだしね。残念ながら限界がありました。

 ボローニャでびっくりしたのは、食べ物を扱う商店、小売店の充実度、あるいは置いてある品の品質の高さというか、まっとうさでしょうか?

      

      

      

 八百屋、肉屋、魚屋、パン屋(←まずこれだけあったら私は暮らせます。)お菓子屋、お惣菜屋、ハムやチーズなどを扱うお店・・・ないものはない、といった感じで商店が並ぶ通りには、買い物にくる地元客の活気があふれ、ここでは健全な食生活が保障されているのだろうな、と見ているだけで安心感を抱きました。(あの町に住んだなら、スーパーなんて味気なくて、行く気にならないと思う。)


      

      

 お店の雰囲気も、このテのこだわりを持ってセレクトしたものを置いた店にありがちな、高級感を前面に押し出した感じはなく。お店の人もプライドを持って働きながら、気持ちよく接してくれたので、とても良い印象が残っています。
 しかもこうした路地が何本か並ぶ場所が、ボローニャという、イタリアではあきらかに都会といってよい町の中心の広場から入ってすぐのところにあるのです。ミラノでいうとコルソ・ヴィットリオ・エマヌエーレみたいな、マックス・マーラやなんぞが並ぶ通りから一本路地を入れば、そこは食の宝庫。そして、「この通りの雰囲気、ちょっとミラノのヴィア・スパダーリのあたりみたいだね。」と夫と話していました。ヴィア・スパダーリは、ミラノ一新鮮な魚が手に入る、お刺身にもできるマグロが置いてあったりするお魚屋さん(その名も通りの名前そのまま、スパダーリ。)や、その先の通りには、お鍋やおでんが食べたくなったとき、他の店には置いていない白菜や大根を買いに行った八百屋さんなんかがあるエリア。でもボローニャで見たのは、そのもっともっと拡大版。ミラノでもローマでも、こういう場所ってないと思います。どれだけ食べることに重きを置いているのかが、こんなことからだけでもうかがい知ることが出来ました。

 先にも書いたように、食べ残した感の拭えない初めてのボローニャ。かならずやまた、リピートしなくてはなりません。ミラノやローマのような大都市ではないので、移動するにも、人間の身体の大きさに合っているような便利さを感じたし、それからこれはおまけだけれど、空港の往復が便利。ローマやミラノのマルペンサの空港のように遠くないので、タクシーが使える距離で、すごくラクチン。空港自体も小さくて、ラクだったわあ。
 というわけで、ボローニャから入る旅も、これからはありかなあ。