アックイ・テルメ 2

 みなさま、ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしょうか。うちはどこへも出かけません。人が多いの、イヤだし。このあいだイタリアに行ってきたところで、お金もないし。ちょうどGWにあわせてなのでしょう、先日の夕刊に映画の宣伝が載っていました。「テルマエ・ロマエ」というおもしろそうな映画が気になります。古代ローマ時代の公衆浴場から、日本の銭湯にタイムスリップしてしまうというお話、バカバカしくて、笑えそう。でもきっと観には行かない。「次の旅行の飛行機の中で観れたらラッキーかな。」というのが、ケチくさい我が家の会話(笑)

 今日はアックイ・テルメでの、温泉体験のことを。


       

 旅の計画を立てるとき、私はわりと気にしていることなのですが、おそらくここが今回の旅の山場、頂点だろうな、と予想できる街や場所を、なるべく旅行のクライマックスに持ってくる、ということ。最初はぼちぼち、興奮度を徐々に上げていくと、全体としての旅行の印象が良いように思います。

 そういう考えもあって、本当ならばアックイ・テルメは、ルートの最後の方に入れたかったのだけれど、どうしても到着してすぐに向かわなくてはならない理由がありました。それは、私の身体の都合、はっきり申し上げますと、月に一度、かならずお見えになる迷惑な客が、やって来るからでなのでありましたーっ!!

 どうしてもこの日に温泉に入るしかない。間違いなく次の日、あのお方はやって来るから、と夫に告げ、ミラノ入りした翌日にアックイテルメでテルマエ・ロマエ致しましたーっ。

 アックイで私たちが滞在したのは、Hotel Ariston ホテル アリストンという3ツ星ホテル。普通に快適に過ごせるホテルで、家族経営なのか、ホテルのフロントに立つ人の誰もが、とても親切で感じ良かったことが印象に残っています。

 で、自分の体調による事情で仕方なかったとはいえ、失敗だったのが、アックイに火曜日に滞在したこと。というのは、温泉体験をどこでできるのかなど、フロントでいろいろと情報を聞いたのですが、このホテルお勧めのとても素敵な温泉の施設が、なんと火曜休みだったんです(涙)すごく綺麗なところだよって言われれば言われるほど、後悔、あとを絶たず・・・ちなみにそちらは、Lago delle Sorgenti という、街の南にある温泉施設です。私、たぶんここに行けなかったがために、またいつかアックイに行くのではないかと思っています。いや、ぜったいに行く!(その頃にはもう年をとって、月一回の客の心配なんかしなくていいかもしれないわぁ。)

 で、私たちが利用したのが、街の地図でも新温泉と表示されている、Nuove Terme ここが宿泊していたホテルのすぐ前だったので、そちらで温泉に入ることにしました。


      

 Grand Hotel Nuove Terme という立派なホテル(上の写真、正面の建物です。)のなかに、この温泉施設があります。ここのホテルに泊まっていなくても、温泉のみの利用が可能です。ちなみに、私たちは泊まっていたホテルで支払いを済ませて、支払い済みのチケットみたいなのを持って、Nuove Terme に向かいました。そうすると、本当は一人25ユーロの利用料が18ユーロになるというので。他のホテルでもこのような契約をしているところがあると思いますから、泊まっている宿のフロントで訊いてみると良いと思います。

 さらにご参考までに。当のGrand Hotel Nuove Terme に泊まったら良いのではないか?という考えは、旅行の計画の段階で私たちの頭の中にもありました。ですが、ここの宿泊代が私たちの予算では少々高かったこと(立派な4ツ星ホテルなのだから、仕方がないのでしょうが。)さらに、ここのホテルの宿泊客であっても、温泉を利用するには、利用料が別途かかるというので、ま、それならここに泊まらなくてもいいかもな、ということになりました。実際、私たちが利用していたときも、ここの宿泊客の方が、温泉利用に別途料金がかかると知って、受付でクレームを申し立てている場面に出くわしましたが、このお客さんの意見、ごもっともだと、私は思います。バーニョ・ヴィニョーニ(←ここをクリックしていただければ、バーニョ・ヴィニョーニでの温泉体験記事にとべます!)のときは、宿泊代に含まれていたもの。


      

      

 大きく取られた窓から光がふりそそぐ、気持ちの良い温泉プール。ゴージャスとまではいきませんが、それでも日本の温泉施設と比較すると、洗練されていることは間違いありません。お湯の温度はイタリア仕様なのか、やはりとてもぬるくて、30度ちょっとという感じでしょうか。日本の温泉のように、熱いお湯にカッと入って、「ああ、いい湯だった〜。」とい入り方ではありません。ぬる〜いプールにただぼーっと浸かって、人間ウォッチングしたり、思考が停止して一点見つめが始まってしまったり、あるいはジャグジーのぶくぶくで身体をもてあそばれたり、はたまたプールサイドの寝椅子で休んでまた温泉プールに入ったり、などなどを繰り返しているうちに、いつの間にか全身のコリがほぐされて、身体がふにゃふにゃになったかと思うくらい、ストレスも疲れもなくなります。日本人って、温泉に入るときまで、急いでしまっているのかもしれませんね。私たち、この温泉プールのほかに、サウナや、ハーブティーが用意された休憩室などもあったのに、それも目に入らず、なんと一気に温泉プールで入浴2時間!!!ぜったい間違った入り方だと思いますが、それくらいここが気にいりました。前日、日本からの長距離フライトでぐったりしていたのが、ウソみたいに元気をとりもどし、本当に心から癒されました。飛行機でトリノから入ったときなんか、このアックイまで足を延ばして、まずは疲れを取ってから旅を始めるのも、良いのではないでしょうか?

      

 夜、ライトアップされた、Grand Hotel Nuove Terme 写真、左側の建物です。 ステキすぎて、ため息が出ました。
アックイの街も、温泉も、ほど良くセレブリティな雰囲気だからか、あまり気おくれすることもなく、とても居心地よく過ごせる場所でした。

 あ、余談ですが、街の南には、ローマ時代の水道橋が残る場所もあります。

      

 それからもうひとつ。翌朝目が覚めると、予定どおりお客さんがいらっしゃっていたことも、付け加えておきます。