トリノのカフェ

 今回で春の旅行記、最終回になると思う。(かなり強引に終わらせた感がありますが。)    

     

 トリノのバラッティ・エ・ミラノ。先日の衝撃の味のドロップを買った店です。(←という表現は、この店の説明にぜんぜんなっていないと思う。)

 たしか2009年の夏が初めてのトリノでしたが、8月末でまだヴァカンス中であったために、たくさんのお店が休業中。ここバラッティにも入ることが出来ず、上の写真のガッレリア側から、恨めしそうに眺めるだけの私でした。

 この春の再訪で、念願かなって、やっと入店。そしてここで賞味したかったものがこちら。

     

 トリノ名物、ビチェリン。コーヒーとチョコレートを混ぜた飲み物です。飲んだ後の満足感が、ココアに似てるかな。ちょっと甘いものが身体に入った時の幸福感のような。この手の飲み物が何かあった・・・と考えて、ナポリで飲んだカッフェ・ノッチョラート(ヘーゼルナッツの味のコーヒー)を、思い出しました。あれもすごく美味しい。
 ビチェリンという名前の響きも、トリノっぽいと思う。ピエモンテの手打ちのパスタがタヤリンだったり、マダムのことをマダミンと呼んだり(私の名前なんかもマユミンになるやもしれん。)、最後のところで半音上がるみたいな、ちょっと跳ねて終わるような可愛い音。地方独特の言葉の響きって大切にしたい。

     

 フランスの影響だろう、トリノではバールというよりもカフェ、と呼びたい趣きの、こうしたお店がいくつもある。サラ・ダ・テ(Sala da te)っていうのかな、ゆっくりと席に座って、優雅にお茶をいただくのにぴったりなスペース。ちょっと格式が高い感じがするけれど、なかなか良いものです。(って言いながら、このときは立ち飲みで済ませた。自分の懐具合と相談した結果。)


 昨日唐突に、夫がユーロを買ってきました。最寄りの郵便局にて。いつもは出発前の空港で両替するんですけどね。わざわざユーロを手に入れるために事前に出かけるのが面倒くさくてね。出発日のレートがどうであれ、空港での両替にしていたんですが、今みたいにちょうどいいレートのときに替えとけば、そりゃあその方がいいわね。
 それにしても、うちの近所の郵便局でユーロが買える(「替える」というよりも「買える」としたほうが自分にはピッタリくる感覚なのは、私にとって、それくらいイタリアの旅が欲しくて欲しくてたまらない「物」なんだと思う。)なんて、便利な時代になったもんだねえ。「いろんな外人さんが、外貨を買いに来てたよ。」って。へえ、わが町も国際的だねえ。

 経済危機の叫ばれているユーロ圏ですが、そのユーロ圏にお金を落とすばかりの我が家の経済も、たいへんなことになっています(汗)