オルタ湖 2

 ぼちぼち更新中のブログ、前回オルタ湖について書いたのがずいぶん前すぎて、話がつながらないのはやまやまですが、オルタ到着後、ホテルで荷ほどきしてすぐに向かったサクロモンテ編を。(しかもざざっとした内容ですみません。)

 お天気がくもっていたので、山の天気が心配。というわけで湖に浮かぶサン・ジュリオ島は後回しにして、まずはサクロモンテに向かう。

 ガイドブックに書いてあったのでその存在を期待していた、有料の観光列車なるもの(イタリアの観光地などでよく走っている、Trenino トレニーノと呼ばれている遊園地にでも走っていそうなかわいい電車)は残念ながら見つからず。夏とか、季節がいい頃だけの運行なのかな?で、サクロモンテへは、健脚の向きは徒歩でも可能、みたいなことがガイドブックに書かれていたのだけれど、全然健脚じゃないし、っていうかものすごい腰痛持ちで、歩くとすぐ腰に来ちゃうので心配だったけれど、やむを得ず徒歩で向かうことに。

    
    

 歩き始めていきなりの坂道だったけれど、紅葉したツタのからまる素敵な邸宅を愛でながらのお散歩もまた愉し。(ちなみに季節は10月末、晩秋のころでした。)


    
    

 ゆるやかな坂道を上る道すがら、少し高い場所から湖を見下ろすように建っているのは立派なお屋敷ばかり。上の写真のサン・フランチェスコの像のお隣にも、ものすごい別荘が建っており、この像があったのもそちらの私有地内らしかったので、ははあ、この像も個人の方の持ち物というわけでしょうか?なんかすごい発想。

 行ってみてわかったのは、サクロモンテとは、20の小さな礼拝堂が点在した場所のことだった。それぞれの礼拝堂には、アッシジのサン・フランチェスコの生涯のあらゆる場面を表した彫刻が配されている。これらの礼拝堂をすべて見てまわるも楽しいのだろう、ただし健脚であるならば。(←というわけで、お察しのとおり私は最初のいくつかしか周れていません。とほほ)

 感想というのでもないけれど、ともかく私の場合、まずサクロモンテの入り口にたどり着くまでにすっかりくたびれてしまった。足も腰もガタガタ。途中の道は紅葉を愉しめ、素晴らしいお宅を拝見しながら、なかなか素敵な散歩道なのだけれど、何せ登り坂がずーーっと続く。たまりかねて、昔来たことがあるという夫に、あとどれくらいか訊ねても、どこが入り口だったかも何も覚えていないと言う。

    
    

 やっと、やっと見えてきた入り口の門。すっごくシブイ。めちゃめちゃ雰囲気あるでしょ?

 門をくぐって1番礼拝堂付近。↓
    
    

 トレニーノがなくて苦労したけれど、秋の深まったこの季節にしか味わえない風景がそこにはありました。

    
    

 で愉しみにしていたのはここ。この1番礼拝堂の前の展望台から見るサン・ジュリオ島がとてもうつくしいということだったので写真におさめてみる。↓

    

 お天気が良かったらもっとずっと色がきれいだったのでしょうけれど・・・と、自分の腕はさて置き、写真の出来を天気のせいにしてみる。(でも本当にここからの島の眺めがアングルは一番良いのだろうな、と思いました。)

 礼拝堂内の彫刻は、下の写真のように素朴なもので、

    

私たち夫婦は美術の方面にはまったく知識もセンスも理解力もないのだけれど、しかし何となく「世界遺産がこのレヴェルでいいのだろうか?」という感想で一致。

 礼拝所を全部周ることはできなかったけれど、でもこの山の澄んだ空気はたしかに神聖なもので、ここまでキツイ坂道を上ってきてこの聖なる山の雰囲気を味わうだけでも価値があると思いました。

 立ち枯れた紫陽花の様子もとてもシブくて、なんて素敵なんでしょう・・・
    
   

 帰りは下りなので気が楽。もちろん何より身体がラク
苦しかった坂道も、写真でこうして振り返るとステキ、とか思います、はい。   
    
   

あけまして・・・

 1月もほぼ半ばとなり、今さら「あけまして」という挨拶もなんだかヘンテコな気がするのだけれど、でもやっぱり、おめでとうございます、と言おう。今年もどうぞよろしくお願いします。(ってこんなにブログさぼっていて、よろしくお願いして良いものかどうか・・・)

 すっかりさぼっていました。昨年からの父の体調のことがずっと気がかりで、たぶん私の憂鬱はそこに端を発していて、最近ではネットをのぞくこともめっきり少なくなり、日常の雑事ややるべき事を淡々とこなして過ごす日々でした。が、これからはまた、ぼちぼち書いていきたいですし、いろんな方のブログを拝見させていただこうと思っています。勝手ですみません。

 12月の私の旅。

 年に一回旅行している大学時代の友人グループ、メルヘンの琵琶湖への旅。ずばり、寒かったです。旅二日目、長浜から電車に乗って、北国街道の宿場町、木の本宿へ向かったのですが、木の本到着直前に、なんと私たちの乗っていた電車が人身事故!事故の瞬間のあの鈍い音、乗り上げたような感触・・・私、一生忘れないと思います、と同時にトラウマにならないことを祈ります。
で、それから警察が来ての現場検証となり、電車のなかで一時間は閉じ込められていたでしょうか。ホームも何もないところで、降ろしてもらえなかったのです。やっと運転が再開し、訪れた木の本は風情のある街並みの素敵なところでしたが、すっかり旅気分をそがれ、予定を早々と切り上げて帰途に着きました。

 その琵琶湖の旅で風邪をひき、数日病んでいるうちに私の風邪が夫にうつり・・・というわけで、年末の帰省は夫を残して私のみの、一人旅となりました。
が、この帰省旅も、帰りの岡山へ向かう電車が信号機の故障とやらで途中で止まり、やはりこのときも一時間以上電車の中。予約していた新幹線には乗り遅れ、自由席で帰ってまいりました。名古屋到着後、真っ先に精算所に向かい、ちゃんとお金は返してもらったけれども。(←おばさん行動?)

 さらに話をさかのぼると、11月のイタリアの旅のときも、トリノから乗り継いだ電車がどこかの駅に停車中、隣の線路を高校生くらいの女の子二人が走って横切り、ちょうどそのホームに貨物列車が入ってきて、ものすごい音で急ブレーキ。さいわい彼女たちは危機一髪で助かったのだけれど、「あわや人身事故」という騒ぎで駅はごった返し、このときもしばらく電車の中で身動きとれず・・・

 と、なぜか二カ月の間に三度も電車に閉じ込められるという、負のパワー全開の私は2014年に置いてきたということにして、今年も私は旅をしながら、元気に過ごしてまいりたいと思います。

 みなさまにとっても良い一年となりますよう。

 

 

オルタ湖 1

 風邪をひき、ぐずっていたら11月も下旬だった・・・

 先月末から出かけた、秋旅日記。
 ミラノに着いて一日休んでから、旅の開始となりました。長いフライトのあと、この「一日休んでから」というのは、年をとってくるととても大事なことの様に思います。身体はもうムリが効かなくなってきています。

   
     

 旅の初め、ずーっと前から行ってみたいと思っていたオルタ湖に行った。
3、4年前、北イタリアを旅行したとき、久々に訪れたヴェネツィアで「う〜ん!やっぱりヴェネツィア最高!大好き!!」と盛り上がった後、後ろ髪引かれる想いでヴェネツィアをあとにし、次に訪れたガルダ湖で旅を締めくくったとき、完全に旅気分が盛り下がってしまったことがあった。このときの経験から、「湖は私らに合わんのやな。」ということを自分たちの発見とし、また旅の最後を締めくくる場所はとても大事、と学んだのだった。なるべく旅の最後に、気分が最高潮に達することのできるところを選択しなければ、その旅全体の印象そのものにまで大きく影響するのだ。旅のクライマックス大事。

 なのに、湖がそう好きではないのに、なぜオルタ湖に行ったのかというと、私がこれまでに目にしたガイドブックなどの写真の、オルタ湖に浮かぶサン・ジュリオ島の姿はあまりにも美しく、どうしても行ってみたかったこと、あと世界遺産になっているサクロモンテとは、果たしてどんなところや?と気になっていたことなどがあった。
 しかし夫の方は昔、オルタ湖に行ったことがあり、「小さい湖に小さい島が浮かんでるだけのところや。」とか、サクロモンテにいたっては、なぜかイタリア人ばかりのツアーに参加して行ったらしく、敬虔なカトリックの彼らに混じり完全に夫一人が浮いてしまったそうで、「あんなところに行って、一生の恥や。」とまで言う、まさにアンチ・オルタ湖な男なのであった。
 それでも私は一度、この目でオルタ湖やサン・ジュリオ島を見てみたかったし、今回の旅はトリュフがメインだけど、アルバ周辺以外にピエモンテで他に行きたいところがとくに思いつかないでいたので(もっとずっと北の方角なら行きたいところがあった。)、夫が「そんなに行きたいんだったら、オルタ湖も一回行ってみてもいいかも。」と言ってくれた。また、湖に行くと私たち夫婦が気分的に盛り下がってしまう点に関しては、いくら湖でも、私たちの家がある今住んでいる町の日常風景を考えれば、旅の最初ならオルタ湖も感動するで、という話し合いからだった。そして肝心の旅の最後は、ノリノリになれるように、大好きな海に行こう!ということで旅のだいたいのプランがまとまり、オルタ湖も行程に組まれた。

 しかし地球の歩き方にもあったように、オルタ湖に行くのは結構不便で、ミラノから電車でノヴァーラまで行き、そこから乗り継ぐオルタ・ミアジーノ駅に行く電車の本数がとても少ないのだった。めちゃめちゃ早朝か、そのあとはお昼過ぎに一本、その次だとオルタ湖に着くのは夕方、という感じだった。で選択肢もないので、ノヴァーラから午後の早めの便に乗れるようにミラノを出発した。
 さらに最寄りのオルタ・ミアジーノ駅から、オルタ湖まではかなり距離があり、荷物がある場合はホテルにタクシーを頼むと良い、と地球の歩き方にあったので、ホテル予約の際にその旨のメッセージを入れた。すると後日ホテルからメールが届き、「そんなサービスはやってないので、タクシーは自分で呼べ。」という返事といっしょに、タクシー運転手の電話番号やらメールアドレスが送られてきたので、これは親切で教えてくれた、と前向きにとることにした。で、教えてもらったタクシー運転手にメールでオルタ駅到着時間を伝え、予約をしてから日本を出発、ミラノに着いてから確認の電話を入れた。ちなみにこれも地球の歩き方に書いてあった、駅から歩いて5分ほどのとってもゴージャスな、ホテル・クレスピの前から有料の小さな観光列車が街の中心まで走っているとあったが、私の行った10月末には見当たらなかった。シーズンのみの運行かも?と思う。またオルタ・ミアジーノ駅は切符すら買えないような無人駅のため、往復を買っておくか、オルタから先の次の行先の切符まで買ってから行った方が無難ではないかと思う。私もミラノで翌日のオルタ発の切符を買ってから出かけた。ちなみにタクシーの運転手さんはとてもいい人だったので、駅からホテルまで送ってもらっている車内で、翌朝のホテルから駅までの移動もこのときお願いした。

 かくしてやっと到着した、オルタ・サン・ジュリオの中心の広場。↓
    
   

 夏はもっとにぎわうのだろうけれど、訪れた10月末は人も少なく、静かで落ち着いてとても良かった。コモ湖マッジョーレ湖のような華やかさはないけれど、私はオルタ湖のほうがのんびりできて好きだった。湖の色や、サン・ジュリオ島の景色も少し靄がかかったようではあったのだけれど、かえってその方がこの季節の晩秋の雰囲気にぴったりで、良いように思われた。

 しかし湖は冷える。これはガルダ湖に行ったときにも思ったことだが、めちゃめちゃ底冷えがする。万が一、寒い時のためにと、おっさんの下着で言ったら「パッチ」と呼ばれるおよそ色気のないものを一枚、荷物にしのばせておいたが、これがさっそくに役に立つ。湖にパッチは必須。そして私がイタリアの旅ができる季節としては、この10月末から11月初めが限界、ということを知る。

 泊まったホテルは、Hotel Leon d'oro ホテル レオン・ドーロ。湖畔にあるホテルでロケーションはとても良かった。タクシーの運転手さんの話では、ここのホテルのレストランがとても美味しいということうことだったので、この夜はここのレストランで食事しよう、と一旦は意見がまとまったが、貼ってあったメニューの値段を見てここは却下となった。(結局この日の夕食は、近くの小さなトラットリアで、ゴルゴンゾーラのニョッキを食べた。ゴルゴンゾーラはこの辺が本場だったと思ったし。美味しかったし、何より身体が温まった。淡水魚が食べられないこと、これも私たちが湖がいまいちな理由のひとつであると思う。)

 ホテルの部屋は、インテリアや清潔さ、ベッドマットの硬さなどは申し分なかった。私たちは値段の安い部屋を予約したため湖の見えない部屋であった。が、それはまあいいとして、ともかくそこは我が家の旅史上、最狭の部屋だった。びっくりした。荷物は広げられないし、部屋の中を歩くときは、カニ歩きをしなければいけなかった。安い部屋と言っても110ユーロだったので、「なんでこんなに狭くなっちゃうのか?」という気がしなくもなかったが、この旅の目標に「怒らない」と「節約」を掲げていた私は、あまり気にしないことにした。私の泊まった部屋はあんまりだったけれど、ホテルとしては悪くはないところだと思うので、値段をケチらなければ快適な滞在になると思う。しかしあまりに狭くて身動きがとれないので、たまたま私たちの部屋の入り口のすぐ前に、おそらく飾りを兼ねているであろう豪華なソファーが置かれていたので、宿泊客が少ないことをいいことに、私はこのソファーも自分の部屋の一部であるとみなし、ここでお茶を飲んだりくつろいだり、ベッドに寝転がりたいときは部屋に入ったり、という勝手な使い方を思いつき実践した。

 だけど翌朝、朝食まえにホテルのバルコニーに出てみると、素晴らしい眺め!
    
    

 湖が見える部屋なら、きっとこの景色が拝めたのだろう。
 
 このあとものすごい勢いで朝食を食べ(というのは、朝食が8時からで、8時半にはタクシーの迎えが来て駅に行かなければならなかったので)、あっという間にオルタ湖をあとにしたが、前の日のサクロ・モンテとサン・ジュリオ島に行ったときのお話はまた次回。(遅々としながら執筆予定。)

行ってきました。

    

 朝もやのなか、紅葉したバローロ村のぶどう畑。 

 ご無沙汰しています。一昨日、イタリアから帰国いたしました。

 今回はおもに、ピエモンテを周ってきました。おもに、というのは、ピエモンテだけのつもりが、最後はやっぱり海が見たい、と旅の終わりをリグーリアの海の街で締めくくってしまったため。結果、ああ、やっぱり四国の生まれの私は海の方が断然好きだ、とあらためて。そして出かける前、このブログでも書いたように、本場の白トリュフを堪能してくる、と意気込んで出かけたものの、正直申せば、トリュフ料理ももちろん美味しかったけれど、私の舌にもお腹にもぴったりだったのは、リグーリアで食べた、てんこ盛りのイワシフリットだったなあ(笑)

 まだまだ時差ボケのなかにおりまして、頭がクラクラしながら日常生活に戻ろうと必死であります。最近は書き始めても遅々として進まない旅日記、今回は少しマジメに書いてみようか・・・

バーニョ・ヴィニョーニ再訪 3

 しつこく続くバーニョ・ヴィニョーニ編。たぶん今日でおしまいにします。(すみませんがお付き合いください。)

 バーニョ・ヴィニョーニで小さな遠足を決行いたしまして、今日はそのお話。

 初めてバーニョ・ヴィニョーニを訪れたときに、「次に来るときにはぜったいあそこに行こう!」と心に誓った場所がありました。

 まずは、これも毎度同じような写真で申し訳ないのですが、バーニョ・ヴィニョーニの村の浴槽広場。↓

    
   


 この古代ローマ時代の浴槽に湧く、湯量豊富な温泉水は、中世に造られたという水路を通って、近くの公園の中までずーっと流れて行っています。↓(お湯の温度を下げるために、このように水路を作り、流したようです。)
    
   

 写真には写っていませんが、この水路では足湯をしている人もいたりして、みなさんのんびりとしていて、ほほえましい光景が見られる場所でもあるのです。

 そして、この水路の先をさらにたどって行くと・・・
   
   

 写真の先は崖になっていて、崖の上から温泉のお湯が流れ落ちており、さらに下へ流れ落ちるお湯の行方が気になるので覗き込むと、

   
   

 上の写真、ズームで撮っているので、本当は肉眼ではもっと小さくしか見えないのですが、ずっと下に流れ落ちたお湯でできた天然温泉か、川湯のように見える場所があります。

 「あそこに行きたい!でも行き方がわからない!」で終わった前回。二度目のこの旅では、ぜひあそこまで足をのばすと決めていました。

 行き方は相変わらずわからないので、宿のお兄さんに訊ねたところ、「すぐそこの(足湯のある)公園にベンチがあるから、そのすぐ後ろの階段を下りて行けば着くよ。」とのこと。

 あのさ、公園にベンチって・・・フツーにあるよね・・・そんなざっくりとした説明で行けるんかい・・・

 かくして不安でいっぱいではありましたが、水路のある公園に行き、ベンチももちろんいくつかあったにはあったのですが、その中のベンチのひとつの近くに階段発見!これに間違いないっ!(あんなテキトーな説明でわかるなんて、私も相当ざっくりな人。)

 階段を駆け下り、山道を進みます。雑草や、名前も知らない素朴な花が咲く自然の野山を、子供のころに戻った気分で!
    
    

 途中、上を見上げると、滝のように落ちるさっきの崖が見えます。
    
    

 流れ落ちたお湯は、さらに山の斜面を滑るように流れて行きます。温泉も見えてきた!もうすぐ!!

    
   


 公園から10分も歩かないくらいかなあ。意外と簡単にたどり着けました(笑)       
    

 水の色が白く濁ったブルーで、とてもきれい。

 反対方向から。↓
     
    

 ここ、わりと次々と見学される方が訪れるのです。みなさん温泉には入れなくても、しばし自然のなかに造られた温泉の水の色を愉しんだり、写真におさめたりしていました。

 やっと念願の場所に来れて大満足の私でありましたが、一方でこのとき私の抱いていたおおいなる疑問。私が崖の上の公園から、ずっと下ってこの温泉にたどり着いたのに、他の見学者の方々は皆、下の方向から、この山のなかの温泉へ登ってたどり着いていたこと。・・・なぜだっ?!
しかし来た道しかわからないし不安なので、帰りも私一人、山道を登って帰りました・・・(みんな、いったいどこから来たんだ?)

 どうやらこの温泉は、夏の昼間くらいしか入ることができないくらい水温は低いそうで、雰囲気的にもちょっと入るのに勇気が要りそうでしたが、チャレンジしたい方にはぜひトライしていただきたいと思います。

 旅のちょっとした目標というのでしょうか、自分にしか価値はわからないのかもしれないけれど、でもそんな何か小さな愉しみを設定して出かけるオリジナリティーのある旅をしたいと、いつも思います。


 
   

バーニョ・ヴィニョーニ再訪 2

 またまた更新が空いてしまいました・・・あしからず。

 今年の春旅、二度目の訪問となったバーニョ・ヴィニョーニです。

    
    

 村の中心の、温泉の湧く広場。初めて来たときは、写真の右側の建物がホテル(Albergo Le Terme )になっておりまして、ここに滞在いたしました。もとはルネサンス時代の法王であったピオ2世の別荘であったという由緒ある建物で、格式もある感じでしたし、何といっても自分にとっては初めてのイタリアの温泉体験がこちらでしたので、日本の温泉とは全然違って、エレガントというか優雅というか、その雰囲気に気おくれすら感じてしまうようなひとときでしたが、とても良い思い出となりました。

 このホテルも良かったのですが、その後見つけた別のホテルの温泉が素晴らしく思われ、と言うのも、Le Terme の温泉施設は屋内なのですが、今日ご紹介するホテルの方は、屋外の、とても素晴らしいオルチャの景色が愉しめる温泉で、ぜひここを利用したい!と思いました。

 ・・・ですが、日本のゴールデンウィークを使っての旅行は、イタリアでもちょうどこの時期、5月1日メーデーのお休みのお出かけシーズンと重なってしまい、早い話が私の予算とホテルの宿泊代との折り合いがつかなかったわけでして、宿泊だけは別の宿を確保することとなり・・・

 事前にホテル側に何度もメールで問い合わせをするほどの、私の念の入れ様。そちらのホテルの宿泊客でなくとも、温泉プールのみの利用ができるのか?そもそも5月1日のメーデーは、営業するのか?等々。いずれもOKでしたが、おそらく行楽客の多い5月1日は混雑すると思われるので、そしてある程度お客さんが入った時点で入場制限を設けるので、午前中の早い時間に来られたし、との返事。そこで前日の4月30日のうちにバーニョ・ヴィニョーニ到着、予約してあったボロ宿で荷をほどいたあと、目指す温泉プールの窓口まで出向き、鼻息も荒く「明日は朝の何時まで来れば確実に入れるのか?」と、入場券を売るおばさんに訊ねると大笑いされた、「そんなに早く来なくても大丈夫よ〜。」

 しかし翌日、結局心配で開園(?)時間すぐに到着してしまった私。入場券を売っていたのは前日にいたのと同じおばさんで、また笑われる・・・

 かくして、やっと入れることになった温泉プールがこちら↓↓↓

     
    

 とっても開放的っ!空と緑に抱かれるような、自然のなかの温泉といった感じ。

 建物をバックにするとこんな感じで、↓そう、後ろに見えるのが私が泊まれなかったホテル。

    
    


 プールは2つのエリアに区切られていて、それぞれ温度と深さが違います。でもこれまでに体験したイタリアの温泉のなかでは、こちらの浴槽の温かいほうの温泉水は水が冷たいと感じることもありませんでした。お湯の温度は季節にもよるとは思いますが、日本人の方でも気に入るのではないかと。

     
    

 ここの気持ち良さはお湯のせいだけではなく、何よりこの景色愛でながら、だからだと思います。

    
    

 お天気に恵まれなかったこの旅行、雨に降られた日が多く、それも手袋や帽子も欲しかったな、というくらいの凍えるような冷たい雨で、このプールに入る日だけがとても良いお天気で、奇跡的!と思うほどでした。(うっかり日焼けをしてしまい、後日その痛さに苦しみましたが。)

 結局、朝から夕方の5時過ぎまで、一日温泉を堪能。入場料15ユーロというのも、とても良心的なお値段ではないかと思います。お昼の一時間がお休みになり、いったん外に出ないといけなかったので、お昼を済ませて再入場。入場券の半券というのもないし、入場するときにもらったレシートでも見せれば良いのかな?と思ってたのだけれど、窓口のおばさんにとっては、私はすでに顔パスのようでした・・・

 今度行くときは(まだ行くんかいっ!?)、ぜひこちらのホテルに宿泊して、ゆっくりのんびり温泉に浸かりたいと思いました。

 Hotel La Posta Marcucci 温泉プールは Val di Sole という名前で営業しているようです。



 
 

バーニョ・ヴィニョーニ再訪 1

 しばらく更新が空いてしまったけれども、我が家のその後の報告としては、壊れた電話は新しい物になり、インターホンは押すとピンポンが鳴るところまできていて、誰かが来たことはわかるようになったのだけれど、「どなた様ですか?」というような会話は出来ない状態。例の、「ご用の方はさけんでください」云々の張り紙ははがし、今はピンポンが鳴ると「はあ〜いっ!どなた〜っ?!」と私が家の中から地声で怒鳴って対応。声でかくて良かったわ。(あさっての工事でやっとすべてが整うはずです。)

 今年の春の旅。(って、もう秋ですよ・汗)トスカーナの温泉地バーニョ・ヴィニョーニは2度目でした。とってもとっても小さな村なので、はっきり言って、見るところはこれだけ?と言ってもいいかもしれない。村の中心にある温泉の湧くバスタブ広場。でもここがあまりにも強く印象に残っていて、再訪してしまったのですけれどね。↓

    
    

 こんな場所、他にはどこにもないのでは?と思います。
朝、まだわりと早い時間だったので、立ち上る湯けむりが見えました。太陽がのぼって気温が上がってくると、湯けむりが見えなくなるのです。だからまだ早いうちに。でもこの時間でもすでに観光客がたくさん押し寄せていました。

 初めての時とは別の場所で、温泉も堪能したのですが、そのときの記事はまたにして。

 その温泉体験も素晴らしかったのだけれど、この滞在で私がすっかりはまってしまったものがありまして・・・

    
    

 トリュフのパスタです。お店も当りだったのでしょうが、本当に絶品でした。少しクセのあるチーズとあえてあって(おそらく近くのピエンツァのチーズであったと思われます。)、そのチーズの味と香り、トリュフのえもいわれぬ豊かな香りのコンビネーションが、お口と鼻腔のなかでもうっ!!!なんとこの日から後に訪れた街でも、メニューのなかにトリュフのパスタを見つけては、3日連続で食べてしまったほど!(気に入った食べ物やお店があると続けてしまうタイプです。)これまでもトリュフのパスタは食べたことありましたが、この旅で食べたトリュフのお料理が最高だったなあ。

 お店の名前は、Osteria del Leone 写真の建物の左の入り口がそう。他に食べたお料理も、どれもとても美味しいお店でした。

    
    

 場所は、さっきの温泉広場周辺をうろうろっとしてくれれば、すぐわかります!ホントにそれくらい小さな村です。

 
 で帰国後、あの時のトリュフのパスタ、美味しかったなあ、と頭のなかで記憶と味を反芻し、ツバを飲みこみながらの日々を送っていた私。まったく思いがけなく、来月ピエモンテへトリュフを食べに行くことになりました。

 というわけで写真の整理も兼ねて(笑)、しばらく春旅のお話続く予定です。